2024.3.8 加筆修正
さて本記事では数学検定と中学受験の関係について御紹介致します。
参考として我が家の学習進捗を以下の記事で御紹介しておりますので御参照頂けましたら。
数学検定の取得時期などが記載されている他、「算数/数学の能力目安」の項でおおよその学力が分かるかと思います。
また、本記事の根拠は 算数道場生と息子と甥っ子のおおよそ n=9 程度の指導から得られた知見に基づくものです。
サンプル数が n=9 程度と少ない為、必ずしも全員に当てはまるとは言えない事は御承知おき下さい。
数学検定
公式HP
受験学年の目安
階級 | 目安となる学年 |
1級 | 大学 |
準1級 | 高校3年 |
2級 | 高校2年 |
準2級 | 高校1年 |
3級 | 中学3年 |
4級 | 中学2年 |
5級 | 中学1年 |
6級 | 小学6年 |
7級 | 小学5年 |
8級 | 小学4年 |
9級 | 小学3年 |
10級 | 小学2年 |
11級 | 小学1年 |
難易度
主に該当学年の基礎的な内容が出題されます。
例えば5年生の割合ならば
250円は1000円の何%ですか?
というレベルの問題です。
最後の問題が「特有問題」と呼ばれる多少の思考力を要する問題になっております。
合格を目標とする場合、基礎問題が全て取れれば合格可能です。
よって、学校で習う範囲の基礎が理解出来ているかの確認に適した試験となっております。
こちらのページで過去問が確認可能ですから御覧になって頂くと良いでしょう。
我が家の取得年度
以下の記事に詳しく記載しておりますので御興味のある方は御覧下さい。
合格への道
中学3年までは該当学年の教科書ぴったりトレーニングを学べば、過去問演習をしなくとも合格可能です。
過去問演習だけですと、履修にヌケ・モレが出ますから、ぴたトレ、教科書ワークなどで全単元をモレなく学ぶ事をオススメしています。
全単元を学んだ後に過去問演習に取組めば、よほどケアレスミスが多くない限り合格出来ると思います。
過去問は何でも良いでしょう。教科書レベルの内容をしっかりマスターしていれば、解けない問題は殆どありません。
我が家は以下のシリーズを使用しましたが、本当に何でも良いと思います。
高校範囲(準2級~準1級)についても難しい問題は出ません。
教科書レベルの内容をしっかり身に付けておけば合格可能です。
以下のシリーズは小学生でも取り組み易い構成になっておりますから大変オススメです。
具体的には余白が多く、威圧感が無い点が良い点です。
本シリーズと過去問を実施すれば 2級までは合格可能です。
準1級は数Ⅲの範囲になります。
ここは1A2Bの理解がしっかり出来ていないと進むのが難しいところです。
以下の書籍がオススメです。
初めから始めるシリーズは取り組み易いですが、1A2Bの理解が甘いと進みが悪いかもしれません。
その場合は基礎問題精講シリーズを用いて、1A2Bの理解を深めた上で数学Ⅲに取組むと良いと考えております。
基礎問題精講のレベルを理解した上で過去問演習を実施すれば、ほぼ間違いなく準1級までは合格可能と思います。
中学受験算数との関係
大まかな目安は以下のようです。
Sharari-manの主観です。道場生と息子の実績値からの推定です。
保証値ではありませんが、これくらいは解けるであろうという目安です。
階級 | 目安となる学年 | 6年時の模試における 四谷大塚Aライン80偏差値 |
1級 | 大学 | 55~63 |
準1級 | 高校3年 | 55~63 |
2級 | 高校2年 | 50~60 |
準2級 | 高校1年 | 45~55 |
3級 | 中学3年 | 40~50 |
準1級まで取得していれば技術的に解けない問題は無いはずです。
しかし、初等幾何に関する問題は高校数学では出題が少ないため、熟練度が低く、解けない問題が多いでしょう。
また、長文を読み、複雑な条件を整理しながら解き進めるという問題も中学受験特有であり、慣れるまでは時間が非常にかかります。
例えば条件設定が複雑な速さの問題などは解けない問題が多いと思います。
上述したような問題が解けない事
演習不足による解答速度が遅い事
を理由に最難関合格可能レベルの偏差値取得は難しいという主張です。
一方、整数問題・数列・一部の特殊算に関してはスラスラ解ける問題が多いと思います。
数学検定準1級(高3レベル)まで取得しても中学受験で最難関レベルの偏差値(70前後)は難しいと考えて良いでしょう。
全統小レベルであれば偏差値70程度は可能と思います。
道場と息子の事例では 数学検定3級まで進めても予習シリーズ5年の問題で解けない問題が多数 という感じです。3級取得時に小5,小6中受模試の偏差値は40~というイメージです。
高校レベルまで数学検定を進める事で中学受験の問題の大部分には対応出来るようになりますが、一部の問題や解くスピードに課題が残り、最難関レベルには対応出来ない と考えて頂ければ良いでしょう。
ただし、高校数学まで理解出来ていれば、予習シリーズなどの中学受験算数用の問題集に取組む事で短期間で中学受験算数に対応出来るようになるかと思います。
これは高校数学を通して論理的思考力や粘り強く考え続ける力が鍛えられているためだと考えられます。
数学を学習するメリット
公立ルートの場合
以下の記事に記載してありますが、カリキュラム的に忙しい中学~高校でかなり時間に余裕が持てます。
また数学を先取り学習する事で理系大学受験には大変有利に働くでしょう。
中学受験ルートの場合
高校数学レベルの定理に精通していれば、整数問題などの一部の中学受験算数は楽に解けます。合同式を使えば容易に解ける問題も多いです。
また、上で述べたように数学を通じて鍛えた論理的思考力や粘り強く考える力は算数でも活かせます。
算数道場では数学検定3級に合格した後、公立高校入試演習と並行して中学受験算数(トップクラス4年、予習シリーズ5年)を学ぶルートを標準採用しています。
このルートの良い点は
スモールステップで登りやすい事
正負の数、数式、定理などの論理的に物事を考えるための武器(ツール)が手に入る事
指導者の数学的な解説が理解出来るようになる事
などが挙げられます。
遠回りのように見えますが、その後のトップクラス4年、予習シリーズ5年をかなり高速で履修する事が出来ます。
よって、早期に中学受験生の算数力に追いつく事が出来ます。
息子の進捗は以下の記事の通りです。
中3数学を終えてから、かなり高速で予習シリーズを終了出来ている事が分かるかと思います。
これは道場生の中では遅い方でして、最も早かった道場生では小5から学習開始で小6夏頃には最難関レベルの算数と戦えるレベルに達しておりました。
学習開始時点は一般的な公立小5年生の学力です。
道場生・息子の実績から、中学~高校数学を学ぶ事で中学受験算数に対して好影響がある事は間違いないと考えております。
まとめ
公立ルート時のメリット
カリキュラムの厳しい高校時に余裕を持って学習出来る事
論理的思考力が鍛えられ、学業全般に好影響
中学受験ルート時のメリット
正負の数、数式、関数、定理などの武器が手に入る事
論理的思考力や粘り強く考える力が算数に活かせる事
指導者の数学的な解説が理解出来る事(指導者にもメリット)
数学履修後に算数に取組む事で理解速度が大幅に向上する事
これらのメリットに魅力を感じられた場合は低学年から数学の先取り学習に取組んでみても良いと思います。
あとがき
さて、如何でしたでしょうか?
数学検定に少しでも魅力を感じて頂けたでしょうか?
数学検定は極端に難易度の高い問題は殆ど出題されないため、基礎力の確認・定着のための学習として優れています。
中学受験算数よりは登りやすく、スモールステップで着実に実力を身に付ける事が出来ます。
異端かもしれませんが、Sharari-manは 低学年からハイレベ・トップクラス・スーパーエリートなどの問題集に取組むよりも どんどん公立ルートの先取りを進め、中学数学まで学び終える事を推奨しています。
中学受験算数の問題集に取組むよりも 登りやすいルート だと確信しております。
登りやすいだけでなく、数学という武器を身に付ければ、中学受験算数の学習に対しても確実に好影響を与えると考えております。
上に挙げたような難易度の高い中学受験算数に取組み、苦労されている親御様には是非試して頂ければと思います。
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
コメント【コメント非公開、メールでの返信を御希望される方はその旨をご記入下さい】