さて、本記事は塾技100 国語について御紹介する記事です。
表紙
目次
問題集概要
発行社 株式会社文英堂
著者 井上秀和
256ページ
B5版
税込み 2200円
■各塾技毎に1~3題
■入試実践問題 3回分
■重要語彙の説明
塾技=解法テクニック を読み、それに関連した読解問題を解く。
という流れの問題集です。
こちらの書籍と同じ著者です。
本書はこちらの書籍よりは自学自習に使い易い書籍です。
以下のようなレイアウトで統一されており、見開きで1回分となっています。
そのため朝学習などの定期的な学習に取り入れ易いでしょう。
難易度
■選択問題~記述問題、難易度低~難易度高 まで幅広く取り扱われています。
実際の入試問題を取り扱っているため、全体的にはやや難易度が高いと言って良いでしょう。
予習シリーズ6年の演習問題集まで完了しているお子様でしたら、取組可能なレベルです。
読解テクニックを読み、それに関連する問題を解く という流れになっておりますから、自学自習の技術が身に付いていないお子様には使いにくいと思います。
著者の言葉を引用させて頂きますと
「学習のスタートから入試直前のチェックまで自分に合った使い方ができます。」
との事です。
とありますが、『学習のスタート』は以下の要件を満たしていないと厳しいと思います。
- 6年生までの漢字が読める、理解出来る
- 中学受験向けの語彙本を読み、一通り語彙を身に付けている
- ふくしま式で基礎文法(論理)を身に付けている
予習シリーズを実施していなくても、これらの要件が満たされていれば学習可能なレベルです。
中堅~難関校で実際に出題された過去問ですから、それなりに歯ごたえのある問題ばかりです。
漢字、語彙、基礎文法は上に挙げたような要件を満たすために別問題集で学習が必要です。
以下の記事が参考になると思います。
良い点
- 塾技1単元毎の所要時間は短く、毎日取組みやすい
1単元あたり10~20分程度で完了可能と思いますから、朝学習にも取り入れやすいでしょう。 - 著者選定の良問のみで構成されており、難関中学の入試で良く出題される問題、解き方・考え方が頻出の問題で構成されており、学習効率が高い。
- 問題数、解答の質を考えると安価である
解答の解説が非常に良く出来ています。
なぜその選択肢なのか? なぜそのキーワードが必要なのか?詳しく解説されています。
予習シリーズの解答と同レベルの詳しさですから、予習シリーズで学習が進められているお子様は問題無く取り組む事が出来るでしょう。 - 解答が別冊である
Sharari-manは子供向けの参考書は必ず解答別冊派です。
小学生にとっては 取り組み易さ というのは大変重要なファクターです。
全ての問題集を解答別冊にして欲しいですね。特にエール出版の方!是非お願いします! - 解答テクニックが網羅的にまとめられており、国語学習の仕上げとして使い易い。
我が家の場合、塾技【算数】は機を逸しましたが、こちらの塾技【国語】は朝学習にも丁度良い内容で重宝しております。
悪い点
- 「学習のスタートから」では取り組めない。漢字・語彙・基礎文法は身に付いている事が前提。
- 直接書き込み式で無いため、記述問題は別用紙に書き込みが必要である。
- 詳細な文法解説は無い。
品詞、活用などは簡単な説明のみです。予習シリーズや詳しい国文法なで別途学ぶ必要があります。
文法は簡単に触れる程度です。品詞の解説は簡素であり、この問題集だけで理解し、使いこなす事は難しいでしょう。
少し敷居が高いですが、文法をしっかり学ぶならば以下の書籍がオススメです。
この1冊をしっかりマスターすれば大学受験まで対応出来ると思います。
出題範囲と網羅性
■出題範囲
中堅中学~難関中学までの過去問
■網羅性
国語で網羅性という表現が適切か分かりません。
入試で使える【得点テクニック】は網羅されているように思います。
推奨時期
- 6年生までの漢字が読める、理解出来る
- 中学受験向けの語彙本を読み、一通り語彙を身に付けている
- ふくしま式で基礎文法(論理)を身に付けている
本要件を満たしていれば学習可能です。
一通り予習シリーズで国語学習を終えた後に以下の目的で取組むと効果的ではないかと考えます。
- 予習シリーズを全て終えた後の実戦演習
- 中学入試実践に向けた総復習
このような用途であれば大変使い易く、学習効果の高い良い問題集ではないかと思います。
我が家の進め方(参考)
- 朝学習として毎日1単元(1塾技)ずつ進める。
- 1回、15~20分程度。
- 週末など時間がある時に複数単元進めたり、その週にやった部分の復習を実施する。
- 「塾技」の部分を何度も読み、解答テクニックを確認しながら進める。
国語の学習も算数同様演習が重要です。
読解問題は問題形式慣れというのも重要です。
設問の種類は限られておりますからね。
~とは何ですか?
~とはどういう事ですか?
問われ方の種類とそれに対応した解答の仕方を覚える事が効果的です。
本記事で登場した他の問題集
あとがき
さて、冒頭に御紹介した「国語力とは技術である」という著者の主張が印象的です。
「国語は感覚で解くのではなく、論理的な考えに基づき解く」という主張だと思います。
しかしながら、「感覚」で解いているというのは誤解があるように思います。
Sharari-manは「感覚派」ではありますが脳内で要約しながら「AだからBだ」という風に論理立てて解いています。
どうやって答えが分かったの?
いや、ここに**と書いてあり、ここには**と書いていあるから、筆者の主張は**だと言う事だよね。
国語は算数/数学と違って本文に答えが書いてあるから読むだけじゃない?
読んでも分からないから聞いてるのよ!!!!!!
この本文を読んで正しく理解する、心情を理解しながら読む という作業は意外と難しいようです。
子供達も最初から出来る訳ではありませんが、『基礎文法(ふくしま式)』を身に付けた状態で多読する事で少しずつ身に付いていくという実感があります。
何となく多読する
のと
論理構造を考えながら多読する
のでは随分と能力向上率が異なるように思います。
よって、早めに基礎文法を学習して、論理構造を理解した上で、多読を積むのが良いのではなかろうかと現段階では考えております。
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
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