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【MUSUCOLUMN】エネルギーって何だろう?

Musuko

このカテゴリーの記事は僕が書いているよ。

Sharari-man

差別的発言などがあってはいけませんから Sharari-man が校正しておりますが基本的にはMusukoが執筆した文章です。
多少不正確な部分もありますが、息子の学習を兼ねた記事ですので御了承下さい。

目次

エネルギーって何だろう?

色々なエネルギーがありますが、古典力学では 運動エネルギーと位置エネルギーに大別されます。

このコラムでは力学についてお話させて頂きます。

運動エネルギー

運動している物体が持つエネルギーの事を運動エネルギーと言います

ある質量の物体がある距離を移動するために必要なエネルギーと考えると分かり易いかもしれません。

重たい物を10m動かす時と軽い物を10m動かす時では 重たい物の方が沢山エネルギーが必要です。

運動エネルギーは下の式であらわされます。

K=1/2mv^2
K:運動エネルギー【J】
m:質量【kg】
v:速度【m/s】

エネルギーの単位は J【ジュール】だよ。
1N【ニュートン】の力で物体を1m動かすために必要なエネルギーが 1【J(ジュール)】だよ。

位置エネルギー

次に位置エネルギーについて説明します。

位置エネルギーはその物体が置かれている状況によって変化するのですが、地球の表面上にいる場合は以下の式になります。

U = mgh
U:位置エネルギー【J】
m:質量【kg】
g:重力加速度【m/s^2】
h:地表からの高さ【m】

この式から J(ジュール)= kgm・m/s^2 だという事が分かります。

単位は 記号で覚えておくと、掛け算と同じように計算出来るからとても便利です。

自動車事故のエネルギー

少し前に読んだ自動車事故に関する本が面白かったので紹介します。

下のような事故について考えてみます。

上の事故【剛体壁に自動車が激突して跳ね返る事なく停止】

この場合、自動車を破壊するために使用されたエネルギーは

K=1/2mv^2
K:運動エネルギー【J】
m:質量【kg】
v:速度【m/s】

この式の通りにあらわされます。
例えば質量1000kgの自動車が 20m/s で動いていた場合

K=1/2 ×1000×20×20=200000【J】のエネルギーだよ。

このエネルギーが自動車の破壊に使われる事になります。

下の事故【同じ自動車同士が正面衝突して跳ね返る事なく停止】

この場合、自動車を破壊するために使用されたエネルギーは 上の事故と同じく

K=1/2mv^2
K:運動エネルギー【J】
m:質量【kg】
v:速度【m/s】

この式の通りにあらわされます。
例えば質量1000kgの自動車が 20m/s で動いていた場合

K=1/2 ×1000×20×20=200000【J】のエネルギーになります。
このエネルギーが2台分です。

なので

200000【J】×2=400000【J】

になります。

このエネルギーが自動車の破壊に使われる事になります。

どちらの事故が自動車が壊れやすい?

さて、じゃあ上の事故と下の事故でどちらが自動車が壊れやすいでしょうか?

Okusama

下の事故に決まっているわ!
だってエネルギーが大きいじゃない!

と思う方が多いと思いますが、実は同じです。

400000万【J】とエネルギーは倍になっているように思いますが、結局、2台の自動車を破壊するために使われるエネルギーなので、実は1台当たりを破壊するエネルギーは同じです。

Musuko

何だか正面衝突の方が壊れやすそうだけど、そんな事はないんだね。

トラックと乗用車の場合は?

じゃあ次に 質量が違う自動車の正面衝突について考えてみるよ。

下の図のように トラックと乗用車が衝突した場合だね。

両方とも同じ速度で走っていて、トラックの質量は乗用車の2倍だと考えると以下のように計算出来るよ。

【乗用車のエネルギー】

K=1/2mv^2

【トラックのエネルギー】
K=mv^2

質量が2倍だから 乗用車の2倍のエネルギーという事ですね。

これが跳ね返る事無く衝突すると下のようになるよ。

つまり衝突した瞬間に乗用車とトラックの破壊に使われるエネルギーは結局のところ乗用車が持っているエネルギーだけだから、トラックと衝突しても破壊に使われるエネルギーは同じだという事が分かります。

ところが、この後、乗用車は以下の図のように左方向に動かされます。

この時に、トラックから乗用車に追加で運動エネルギーが流れ込む事になります。
例えば乗用車がグシャグシャになって、タイヤ部分の摩擦力が大きく動けない場合や、壁に激突していて左に動けない場合は、トラックの運動エネルギーが乗用車の破壊に使われる事になります。

逆に言うと、乗用車がエネルギーを使い切った後、摩擦力がゼロで何の抵抗も無く、左側に進める状態だと、トラックと一緒に左方向に滑って行く事になるから、乗用車の破壊にエネルギーは使われません。

実際は ある摩擦抵抗と質量を持つ乗用車にトラックからエネルギーが流れ込み 急激に 左方向に加速されます。
そのエネルギーによって多少は乗用車が破壊されます。

反発係数

上の説明では書いていませんが、衝突した時には反発係数 e というものを使って計算する必要があります。

トライイットさんの授業も分かり易いので是非見てみて下さい。

お相撲さんと子供の衝突

お相撲さんと子供がぶつかり稽古をした場合を考えてみます。

質量 m の 子供が お相撲さんに ある速度 v でぶつかった時です。

自動車の衝突も同じですが、変形によってエネルギーが消失します。
自動車の場合は 自動車に変形しやすい部分を作り、大事な場所(運転席)の変形にエネルギーが使われないように工夫されています。

お相撲さんと子供の場合は 以下の図のようになります。

お相撲さんが 力を入れて踏ん張り、その場から動かなかった場合は 子供は跳ね返されると思います。

一方、お相撲さんが力を抜いて、ある時間をかけて子供の衝突エネルギーを吸収した場合、反発係数が0に近づき子供は跳ね返されなくなると思います。

K=1/2mv^2 の仲間に F=ma という式があります。

F:力
m:質量
a:加速度

です。
お相撲さんが力を抜いてエネルギーを吸収した場合は 「ゆっくりと時間をかけてエネルギーを消費した」 と考えられると思います。つまり加速度 a(減速度)が小さいので、発生する力が小さいという事だと思います。

Musuko

テニスラケットの科学 というコラムを良く読んでいるのですが、とても面白いので是非読んでみて下さい。

野球のボールをグローブでキャッチする場合

これもお相撲さんの例と同じで エネルギーをどうやって消費したかです。

グローブを固定した状態でボールをグローブに衝突させると ボールは反発して跳ね返ります。

一方、グローブを引きながらボールを受け取ると、グローブが持つエネルギーを時間をかけて吸収したと考えられます。

F=ma の a を小さくしたという事だと思います。

ある速度と質量のエネルギー 1/2mv^2 の v  をある一定時間 t をかけて吸収したという事だから、t を長くして加速度を小さくしたという事です。

実は ボールの変形、グローブの変形にもエネルギーが消費されていると思います。

減速によって消費されたエネルギーと変形によって消費されたエネルギーの割合は実験をしてみないと分かりません。

Musuko

今度簡単な実験装置を父と作って遊んでみようと思います。

家で機械設計をする時にショックアブソーバー という部品を良く使うのですが、とても面白いので是非読んでみて下さい。

物理はとっても楽しい

Musuko

エネルギー、仕事 という言葉を覚えて勉強をすると、色々な物の見え方が変わってとても楽しいです。

Musuko

物理に興味を持ってくれて、機械設計をする同級生が増えてくれたらとても嬉しいです!

Musuko

予習シリーズの力学が面白いと思ったら、高校数学と物理を勉強してみて下さい。
運動エネルギーの式 1/2mv^2 の成り立ちも分かって楽しくなります。

また MUSUCOLUMNを書いてみますので、よろしくお願いします。

またね!

Sharari-man のあとがき

Sharari-man

さて、久しぶりにMUSUCOLUMN を書いてもらいました。
如何だったでしょうか?

多少正確性に欠ける内容でしたが、まだまだ小学5年生。こんなものです(笑)
あまり校正し過ぎると面白くないため、殆ど校正していません。

国語の記述練習はあまりしていないのですが、数学の論証記述を通じて多少作文能力が向上したように思います。

このコラムについては
息子の作文の練習と思って読んで頂き、多少の間違いには目をつぶって頂けると嬉しく思います。





我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。

ではまた!

御自由にシェアして頂けましたら!
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この記事を書いた人

日本で働く技術者です。
ブログ運営目的は我が家の学習情報提供を通じた社会貢献です。
地域貢献を兼ねて地域限定で算数の個別指導を行っています。

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コメント一覧 (4件)

  • Mutsukoさま

    こんにちは。
    いつも楽しいコラム有難うございます。
    今回の方が内容に馴染みがありますので、復習として大変勉強になりました。有難うございました。具体的な身近な例があるととても判りやすく、そして興味が持ちやすいので良いですね。
    物理力学的に教えていただきたいことがあります。もし気が向きましたらまたコラムに載せていただけますと有難いです。
    1. お相撲さんに小さな子供が何人もぶつかるイベントがあると思います。子供たちがふっとぶ場合と、受け止める場合の力学的考察が知りたいです。
    2. グローブでボールをキャッチする場合、引きながら取ると痛くないことの力学的考察が知りたいです。
    剛体などがご専門かと思いますが、人に当てはめると面白いので可能でしたら宜しくお願い致します!
    また楽しみにMusucolumnお待ちしております。

    • ぞうさん様
      Musukoです。
      いつもコメントありがとうございます。

      急いでお返事を書いてみました。
      間違いがあったらごめんなさい。
      とても勉強になりました。
      あとで もう少し勉強したり、父に教えてもらい、見直しをしてみようと思います。

      いつもありがとうございます。

      これからも頑張って勉強を続けて 人の役に立つ機械の設計が出来るようになりたいです。

      • Musuko さま

        こんばんは。早速のご提示有難うございました。
        自分で何となくイメージしているものも、適切な図と説明があるときちんと理解できます。とてもわかりやすいです。
        力を時間軸で積分するとエネルギーになる、というイメージが戻ってきました。具体例を使いながらだととても楽しく勉強できます。高校でもこんな授業だったら、と思います。
        いつもこんな楽しい勉強ができるなんて羨ましい。今ある環境でありったけ吸収して、是非ともさまざまな場面で発信していくことを期待します。
        頑張ってくださいね。応援しています。また色々教えてください。

        • ぞうさん様
          Sharari-manで御座います。

          いつも素晴らしい御提案ありがとう御座います。
          息子も大変喜んでおりました。

          つたない説明で正確性を欠く内容では御座いましたが、考える過程で色々な物が得られたと思います。
          また、本人の学習意欲が高まったように思います。

          またお気軽にコメントを頂けましたら大変嬉しく思います。

          ではまた!

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