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2018年度 灘中1日目の整数問題を解説してみた

Musuko

こんにちはMusukoです。

Musuko

今回のMusucolumnでは父の真似をして、 2018年度の灘中学入試の整数問題について解説してみます。

目次

問題

2018年度 灘中学 1日目 大問6より引用

4桁の整数 a と 2桁の整数 x があります。
a と x をかけると 119868 になります。また、aの十の位の数と一の位の数をどちらも0に置きかえてできる4桁の整数と x をかけると 117600 になります。このような整数 a , x のうち、aが最も大きいものは、 a=① x=②です。

引用終わり

下の方に僕なりの解説を書いているので、自分で解きたい方は解いた後に見て下さい。




































解答と解説

Musuko

せっかくなので思考過程も含めて詳しく書いてみようと思います。

Musuko

とりあえず数式にして考えてみようかな・・・・

Musuko

aは4桁の整数だから・・・・・
a=1000A+100B+10C+D(Aは1~9 ,B,C,Dは0~9の整数)
a´=1000A + 100B (C=0, D=0)

Musuko

xは2桁の整数だから・・・・・
x=10E + F (Eは1~9、Fは0~9の整数)

情報を整理すると・・・・

(1000A + 100B + 10C +D) (10E + F)=119868
(1000A +100B) (10E + F) = 117600

連立すると・・・

(1000A + 100B + 10C +D) (10E + F)ー(1000A +100B) (10E + F) =119868ー117600

(10C +D) (10E + F) =2268

展開すると

100CE + 10CF +10DE + DF =2268

Musuko

どうやらDとFの組み合わせは1桁目が8になる九九だから 
【1・8=8】
【2・4=8】
【2・9=18】
【3・6=18】
【4・7=28】
【6・8=48】
のどれかだな・・

Musuko

うーん。これだけの情報だと難しそうだから素因数分解してみよう。

119868=2×2×3×7×1427
117600=2×2×2×2×2×3×5×5×7×7

Musuko

1427は・・・・たぶん素数かな・・・(倍数判定はしたけど自信無し)

Musuko

a×x=119868 = 2×2×3×7×1427 なんだから xは絶対1427じゃないよね。だから xの候補は
2×7=14
3×7=21
2×2×3=12
2×2×7=28
2×3×7=42
2×2×3×7=84
のどれかだな・・・・
【12、14、21、28、42、84】

Musuko

aも絞り込めるね。aは4桁なんだから
2×1427=2854
3×1427=4281
2×2×1427=5708
2×3×1427=8562
7×1427=9989
のどれかだな!

Musuko

候補は・・・・
【a=2×1427=2854 、x=2×3×7=42】
【a=3×1427=4281、x=2×2×7=28】
【a=2×2×1427=5708、3×7=21】
【a=2×3×1427=8562、2×7=14】
【a=7×1427=9989=2×2×3=12】
だから・・・・
aの下二桁にxをかけて2268になれば良いんだな。

Musuko

これくらいなら計算した方が早そうだ!
54×42=2268
81×28=2268
8×21=168・・※
62×14=868・・※
89×12=1068・・※
※の部分は、ぱっと見て2268にいきそうもないので、解いた時は計算していません。

Musuko

えーと だから答えは・・・・・
a=2854、 x=42
a=4281、x=28
の aが大きくなるほうだから
【a=4281、x=28】
かな?

Musuko

一応確かめておこうか。
2854×42=119868
2800×42=117600
4281×28=119868
4200×28=117600
オッケー。大丈夫そう。

Musuko

出来た~!

Musuko

僕はこんな感じで進めているよ。
結果として、最初の検討は使わなかったけれど、数式を書くと頭が整理されるので、いつも数式で表すようにしています。

Musuko

解き終わった後にもっと効率の良い解き方が無いか検討をします。

Musuko

この問題の場合は解きなおしている時に「公約数に注目した方が早かったな~」と気付き、反省しました!
また、1427が運よく素数だったので解けましたが、素数じゃなかったら間違えていたはずです。

最初に検討していた数式を利用すれば簡単に解ける事に気付けませんでした!
(1000A +100B) (10E + F) = 117600
⇒100 (10A+B) (10E +F) =117600 の両辺を100で割ると
(10A+B )(10E +F)=1176

(10A +B) (10E + F) = 1176
(10C +D) (10E + F) =2268
(10E + F )=x より
(10A +B) x =1176
(10C +D) x=2268
になるから、xは1176と2268の公約数です。

すだれ算で1176と2268の最大公約数を出すと 84だから 84の2桁の約数が x です。
だから、 xの候補は 84、42、28、21、14、12 のどれかです。
(10A+B)と(10C+D)はどちらも必ず2桁の整数です。
A、B、C、Dは全て1桁の整数だからです。

だからここから絞り込むための条件は

aが最も大きくなるためにはxが最も小さくなれば良い。
2268÷x をxが小さい方から計算すれば良い。

2268÷12=189 ・・・3桁なのでダメ
2268÷14=162・・・3桁なのでダメ
2268÷21=108・・・3桁なのでダメ
2268÷28=81・・・OK これが答え。
僕の場合、下のように考えて計算を省きます。

Musuko

3桁になるとダメだから 割る数に100を掛けて大小比較すれば良い!
28から100以下の2桁になるな!計算してみよう。
よし28が答えだ。

答えは a=4281 x=28だ!

このやり方だと 「1427が素数かどうか?」を考えなくても良いので、間違える可能性が低いところが良いところです。

別解

数学を勉強していない人は筆算で考えると分かり易いのでそちらも紹介します。

Musuko

もう一つ別解があるので、今度追記しますね。

Musuko

最後まで読んでくれてありがとう御座いました。

あとがき

Musuko

誰かに問題を解説するのはとても難しいです。

Musuko

学校で友達に算数を教える時は、友達が分かる言葉と方法を使って教えないといけません。

Musuko

だから、上手に説明するためには相手の事を良く知らないといけません。

Musuko

説明が上手な人というのは論理的に話が出来るだけでなく、相手を観察するのが上手な人なのかな と思います。

Musuko

父が指導するところを観察すると、教える相手によって 言葉使いや教え方を変えています。

Musuko

僕も父のように、相手が理解しやすい言葉、方法を選んで教えられるようになりたいと思います。

Musuko

学校の皆に算数や数学が好きになってもらえるように頑張りたいと思います。

Sharari-manのあとがき

Sharari-man

さて、如何だったでしょうか?

Sharari-man

多少添削致しましたが殆ど原文のままです。
少しは国語力が向上したでしょうか?

Sharari-man

だいぶ成長してきたな~
と思うのは親バカでしょうか。

Sharari-man

1年生の終わり頃に足し算が出来なくて、テストで点が取れず、泣いていた事を思うと大変成長しました。

Sharari-man

今後も彼の成長が楽しみです。

我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。

ではまた!


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この記事を書いた人

日本で働く技術者です。
ブログ運営目的は我が家の学習情報提供を通じた社会貢献です。
地域貢献を兼ねて地域限定で算数の個別指導を行っています。

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コメント一覧 (4件)

  • Musuko様
    こんにちは。コラム有難うございます。
    今回の整数問題の解説、とても分かりやすいです。文章力、解説力は最高レベルと思います。
    内容的にも、すべての可能性を網羅しているので、ぬけがない、ことは感覚的にわかります。問題は時間がかかってしまうことでしょうか?
    それにしても計算力高いですね。6桁の整数を見て、それを素因数分解しようなんて私は思えないんです。それが一番確実だと思っても、頭がついていかないしミスも起こりそうで怖い。ということで別の解法を探し始めるんです。
    次回があれば是非ともお願いしたいことがあります。それは、問題を見た瞬間の直感的な解法設計図を示すことです。私はいつも問題をみてある程度道筋を決め、ぬけがあれば少し遠回りしたり戻ったり、試行錯誤しながら完全な解法を目指します。皆そうかもしれません。
    今回の問題は『数を求める』ものですので厳密さは要求されません。ですので私の直感は、ユークリッドの互除法で数を小さくし、その約数で2桁の一番小さいものを決めればよいのだな、でした。
    それで始めて2268の約数を探し始めます。2268=2x2x3x3x3x3x7ですので(4桁くらいなら素因数分解できます)そのなかで、23(2268÷100)以上になるものを探すと、3x3x3の27。そこで119868÷27をやってみようとするも難しいのでやめ、差の117600÷27を始めると、明らかに割れない。そこで、何となくもやもやしていた、117600と2268の公約数は求めていないのだからすきをつかれたのかもしれない、と。そこで117600を眺めて、1176は求める4桁の上2桁xⅩだからXはこれでいけると判断、1176=2x2x2x3x7x7からX=2x2x7=28とできます。あとは最後に119868÷28=4281、117600÷28=4200でOKとなります。
    『直感はある程度正しかったけれど、緻密性を欠いていたので、やはりそこを灘に突かれた。次からはそういう想定で臨もう。何か、必ず裏がある』
    というのが最終的な感想です。
    また宜しくお願いします!

    • ぞうさん様
      こんばんは。Musukoです。
      いつも温かいコメント、どうもありがとう御座います。
      とても嬉しいです。
      計算は毎日練習しているので父さんより早くなりました!
      この問題を最初に解いた時は少し時間がかかり過ぎて焦ってしまいました。
      たぶん7~8分かかってしまいました。
      灘中学の1日目は大問1問あたり5分くらいで解き終わらないと、時間が間に合わないから大変です。

      次に記事にする時は、どのタイミングでどんな事を考えているのかも書いてみようと思います。

      いつもは数式にして表して、条件を整理した後にどうやって解くかを考えて取組む事が多いです。
      算数の難しい問題は不定方程式になる事が多いと思うのですが、そこから実験して解くというのが、最近取り組んでいる大学受験の問題に似ているなぁと思います。

      僕は灘中学や一ツ橋大学の整数問題が好きです。
      算数も数学もどちらも楽しいです。

      いつもコメントして頂いてありがとう御座います。

  • Musuko様
    こんばんは。お返事有難うございます。
    私も整数問題大好きです。
    各種理工学系解説でもなんでも結構ですので、またコラムよろしくお願いします。
    表現が、おそらく小学生でもわかる程度に分かりやすいですし、その上他者意識もあります。サイコーです。今後もどんどん記事を作っていくとよいような気がします。
    次回が楽しみです。お時間が許す範囲で。

    • ぞうさん様
      Sharari-manで御座います。

      いつもMusucolumnに対してコメントを頂き、まことにありがとう御座います。
      誰かがこうやって褒めてくれる、喜んでくれる事が彼のモチベーションに繋がると思います。

      今後もお気軽に提案・質問を頂けましたら親子共々大変嬉しく思います。

      今後とも何卒よろしくお願い致します。

      ではまた!

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