2023.10.8 加筆修正
2024.3.4 Musukoのルート追加、色々加筆修正
さて、表題の件です。
本記事では我が家および算数道場における理科学習について述べてみようと思います。
読者様からご要望がありましたので、記事にさせて頂きましたが、【中学受験】に特化した内容では御座いませんので、その点は御承知おき下さい。
前提条件
数学と物理の関係に似ていますが、算数、国語が苦手な場合、理科学習は中々困難です。
力学・水溶液などの計算分野は比の計算が頻出ですから、算数が苦手なお子様は苦戦するでしょう。
暗記分野においても【論理的思考力】【読解力】があった方が、様々な事に関連付けて記憶出来るため有利です。
以下の記事で書いておりますが、算国あっての理科・社会だと思いますので、算国を学習の中心に据えると良いと思います。
何でしたら5年生くらいまでは「予習シリーズの読書」「理社関係の書籍の読書」くらいでも難関校の受験に間に合う方が多いように思います。
最難関に合格した道場生も理社の学習を本格的に始めたのは新6年生あたりからです。
よって前提条件としては以下のようです。
算国を中心に学習を進め、算国の理解が進んだ段階で理社の学習を始めると効率が良い
これは高校数学と高校物理の関係と同様でして、微積をしっかり理解した状態であれば、高校物理の理解が相当早まります。
つまり数学を先取り学習し数Ⅲ~大学数学までを学習した方が高校物理の理解が間違いなく早く、かつ実践的であるという主張です。
まずは小学4年生くらいまでは算国傾注で良いのではないかなぁと思います。
「理社が大好き!!」というお子様は理社を進めても全然大丈夫です。
好きな事はどんどんやらせて上げた方がグングン伸びると思います。
我が家の進め方
我が家の場合、算数・国語が予習シリーズ6年、数学は高校数学まで入った後に本格的な理社学習を始めています。
以下の教材を用いて、「読書」していました。
おおよその学習ルート
道場では全員が理科を学習している訳ではありませんが、理科学習を望むお子様、中学受験をするお子様には理科の指導も進めております。
中学受験をしないお子様に関しては、【得点するためのテクニック】【細かな知識の定着】は省いて、微積物理までゴリゴリ進めるスタイルです。
Musuko氏は線形代数まで進めており、物理学演習、機械設計に役立てています。
中学受験をしないお子様
中学受験は中々に深い内容が出題されますが、【受験以外に殆ど使わない】と言っても過言では無いような内容が出題されます。
植物・星など将来、殆どの人にとって役立たない知識をひたすらに暗記させる傾向があります。
社会も同様ですね。
基礎的な知識から思考力を働かせ、推定させるような問題が難関校には多いのですが、そういった問題は大変良いと思います。
一方、歴史の年号のように、完璧に丸暗記する必要がある問題はイマイチだなぁとSharari-manは考えています。
覚えている方や入試問題を批判する気はありませんが、Sharari-man個人の意見としては
【大筋を理解しており、資料を見れば思い出し、理解出来る】という状態になっていれば良いと考えております。
Sharari-manはこのような考えですから、中学受験をしないお子様には、細かな内容を完璧に暗記させる作業は省き、ドンドン先に進めるスタイルで学習しています。
多くのお子様は機械工学まで学習を進め、Sharari-manと一緒に機械設計を楽しんでいます。
中学受験をするお子様
こちらは当然ながら入試で得点を取る必要がありますから、現実で役に立つかどうかはさておき【得点するための知識・テクニック】を身に付ける必要があります。
これはもう【役に立つ/立たない】は置いておいて、【志望校合格】のために必要な内容を学習しなければなりません。
一通り範囲学習が終わった後に 予習シリーズ、コアプラス・メモリーチェックなどを用いて反復学習を実施し、細かな知識や得点テクニックについて確実に身に付けさせます。
ここが、中学受験をしないルートとの違いです。
仕上げに過去問演習を繰り返し実行すれば、難関校、最難関校でも合格者平均を超えるレベルに達しましたので、このルートで問題無いと考えております。
やさしい~シリーズで基礎的な内容を学び、裏ワザシリーズで多少応用を覚え、予習シリーズ5年~を繰り返し演習する事で実力を養う計画となっております。
予習シリーズは4年はやっても良いですが、やさしく~シリーズと裏ワザを一通り読んでおけば、予習シリーズ5年からでも充分理解出来るかと思います。
我が家と道場では予習シリーズ4年は殆ど使用しておりませんが、特に問題無く学習出来ております。
Musukoルート
このルートは非推奨です。
理由は単純で非常に工数負担が大きく、かなり好きでない限りやれないからです。
当初は中学受験する予定がありませんでしたので機械工学を中心に学習しておりましたが、「受験したい」とMusukoが主張して参りましたので、急遽予習シリーズの最難関問題集などの学習を開始しました。
機械工学、線形代数等の学習をやめた訳ではなく、並行して学習を進めています。
Musukoはもはや機械工学の学習が趣味のようになっておりますから、楽しみながら出来ておりますが好きでないお子様には厳しいと思いますので、オススメ致しません。
一部の道場生はMusukoと同様のルートで学習しております。
微積物理、機械工学を学んでおりますから、中学受験レベルの力学で困る事は殆どありません。
予習シリーズ最難関問題集でも難関校の過去問でも苦にしません。
よって、予習シリーズと過去問演習は 【知識系・化学系】中心の学習です。
中学受験レベルで考えるとオーバスペックな学習をしておりますから、こちらのルートは【非推奨】とさせて頂いております。
機械が大好きなお子様は良いかもしれません。
高校物理は以下の教材を使用しております。
高校数学Ⅲ程度まで履修していないとやや厳しいと思います。
機械工学はこちら
補助教材
理科はあまり何年生から学習 などとは考えず、興味を持ってもらうために様々な書籍をお子様に提供する事を推奨しています。
興味を持った内容はどんどん学習を進めても良いでしょう。
幼児~低学年においては【興味を持ってもらう事】がとても重要だと考えております。
興味を持ってもらうための手段として【漫画】というものは大変強力です。
読み易く、分かり易い。種まきとしては最良レベルかと思います。
以下の記事で色々な読み物を紹介しておりますので参考にしてみて下さい。
何でも大丈夫です。
電車が好きなお子様なら電車の本を沢山読んでも良いでしょう。
理科で学ぶ内容は実社会の中で、色々なところに使われているのですよ。
電気・力学に関連した製品を見ない日は無いでしょう?
オモチャだって 金型成型、力学などの知識を基に制作されています。
要は普段の生活から【理科】に関連付けた知識を子に与えられるかが非常に重要です。
指導者の腕の見せ所とも言えるかと思います。
エンジニアや医師など理系の親御様でしたら、色々な説明が出来ると思いますから、毎日の生活が良い学習機会になるはずです。
まだ、この子には機械の説明は早いかしら・・・・
なんて考えずに、どんどん説明すれば良いと思います。
説明してみて、子が理解出来ない場合は
【子が知らない事が分かった】という事ですから、次はそこから説明すれば良いのです。
是非、親子で毎日の会話を楽しんで見て下さい。
■Sharari-man親子の例
おー。あの観覧車って大体 1周15分くらいだなー
周速いくつくらいかな?
(三角測量を使って)
直径45mくらいありそうだから、45【m】×π/15=3π【m/min】くらいだね~。意外と遅いんだね。
じゃあさ、観覧車の半分だけに偏らせて乗客を乗せたらどうなると思う?
偏ってるから、乗客の乗っている位置によって輪軸に発生するトルクの差が大きくなりそうだよね。
あ、観覧車の駆動モーターを選定する時はそういった場合でもトルク不足にならないように注意しないとだめだね。
あと、風の影響もあるから、結構安全率は高めにしておかないと危ない気がするね。
じゃあ少し似た話だけど、電車はどうかな?
朝の満員電車とガラガラの電車を比べたら力学的にどんな違いがある?
うーん。
満員電車の方が質量が大きいよね。ガラガラの電車は質量が小さい。
だから同じ速度で走っていた場合、ガラガラの電車の方がエネルギーが小さいという事だよね。
そうだね。電車って1両あたりおおよそ150人くらいが乗れる設計になっているんだよ。
10両編成で乗車している人の平均体重が60kgとしたらどれくらい差がある?
満員の時が 10×150×60 =90000kg
ガラガラの時は・・・・乗客が1割としたら・・・・
150×60=9000kg
81000kg 差だね。比で言えば10:1だね。
そうだね。質量はエネルギーに対して倍率として効くから、ガラガラの時に比べて、満員の時はエネルギーが10倍という事だね。
そうかー。だから連結器の強度やバネ定数、ブレーキの仕様を検討する時は、それくらいのエネルギー差がある事を考慮しないとダメって事だね!
その通り!
製品開発する時はこのように【使われ方】を入念に検討しないと思わぬ設計ミスが発生するんだよ。
プログラミングでUI(ユーザーインターフェース)を作成する時も【使われ方】の検討はとても大事だよ。
実際に使われる場面を想像しながら、仕様を検討するのがとっても大事だという事が分かったね!
とまぁこんな感じで機械設計に関する会話をしています。
こんな内容じゃなくても大丈夫ですよ。
これが おしべ と めしべ ね!
のような感じで公園や植物園で観た花の解説をしてみても良いでしょう。
【楽しい家庭学習】が大事というのは全教科変わらないSharari-manのポリシーです。
読書中心の教材について
やさしくまるごとシリーズ、裏ワザシリーズなどは 読書中心の学習としています。
演習問題が完璧に出来る必要はないと考えております。
へーこんな現象があるんだ~
へー化学式ってこんな感じなんだ~
くらいの感じで【読書学習】を進めています。
ちなみに我が家の場合、その過程でMusuko氏が物理学に興味を持ちましたので、以降は物理学中心に進めています。
化学については簡単な中学範囲の学習に留まっており、高校入試レベルがそれなりに分かる程度です。
お子様が【化学】に興味を持たれた場合は、【化学中心】の学習を進めても良いでしょう。
生物など他の分野についても同様です。【お子様が興味を持った分野】に注力すれば良いと考えております。
演習中心の教材について
中学受験をされる場合、演習教材は予習シリーズだけで充分なレベルです。
最難関問題集まで演習を進め、完璧にすれば難関校は充分対応出来るように思います。
定着用にコアプラス・メモチェを併用する形になるかと思います。
仕上げとして志望校に傾向が似た学校を含めた【過去問演習】を繰り返すと良いでしょう。
この【傾向が似た学校】を個人で調べるのは思いの他大変です。ここは塾を頼るのが楽な部分ですね。
例えば短期間だけ大手塾系列の個別指導塾に通い、情報だけを得るという戦略も良いと思います。
中学受験をしないルートの場合は一通り中学範囲を学んだあと、高校入試演習を実施しても良いかと思います。
高校入試に特化した中学理科を学習したい場合は 算数のルート同様、ピタトレ⇒高校入試過去問 と進めれば、公立高校入試に対しては充分な学力が得られると考えております。
以下の算数のルートも参考にしてみて下さい。
基本的に全教科において、教科書ぴったりトレーニング+公立高校入試過去問演習を繰り返し実行すれば、高校受験レベルの学力は身に付きます。
難関私立を受ける場合は 【塾技】など専用の教材が必要になりますが、公立高校入試レベルであればピタトレと過去問演習で殆ど問題無いでしょう。
例外として、大阪C問題など難易度の高い公立高校入試もありますので御注意下さい。
紹介した参考書/問題集
あとがき
さて、我が家ではどちらかといえば力学中心の学習を進めています。
これは一応理由もありまして・・・・Sharari-manは化学分野の専門家では無いため、あまり得意ではないという事が理由ですね。
どうしてもお子様に色々な内容を解説する場合、得意分野である物理中心の解説をしがちです。
意図的ではないものの、指導者の特性上、物理学に誘導する形になっております。
これは仕方の無い事ですし、親御様が化学/生物が得意な場合は化学/生物に誘導する形でも問題無いと考えております。
どちらも重要な学問ですし、指導者が得意な分野を指導するのは悪い事ではありません。
我が家の場合は中学化学に関しては基礎的な内容+高校入試演習を多少やった程度です。
一方物理については大学入試でも戦えるレベルになっておりますし、大学範囲も学んでいます。
そのうち 化学/生物 分野も学ぶ予定ですが、まだまだ小学5年生です。
全く焦る必要はありませんから、大学受験までにノンビリ学んでいけば良いかなと考えております。
今はMusuko氏が大好きな 【機械設計のための学習】を親子で楽しんで参りたいと思います。
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
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