2023.11.03 加筆修正
さて、表題の件です。
本記事で紹介する原理原則はトレーニング業界では有名なものです。
家庭学習に転用出来る考え方が多く含まれておりますので御紹介させて頂きます。
当然ですが、知っていると効率良くトレーニング出来るようになるため、ダイエットや【疲れにくい体を作る事】にも役立ちます。
スポーツも勉強も良い結果を残すためには「考える」事が大事だと思います。
考えながら進めて、トライアンドエラーを繰り返す事が「楽しい」と思えれば大変良い兆候ですね。
過負荷の原理
苦しいと思うレベルの適切な過負荷を与えなければ筋力は成長しないという原理です。
学業で言えば
昨日より長い時間
昨日より難しい問題
このように少しずつ負荷を高めて行く事で徐々に成長していくという原理です。
トレーニングも学業もそうですが 毎日10分しかやっていなかった事をいきなり10時間やるとかは無理です。
毎日10分を繰り返し、慣れてきたら、毎日15分、慣れてきたら、毎日20分という風に少しずつ過負荷をかけて、体を慣らしていく感じです。
可逆性の原理
トレーニングをやめてしまうと筋力は低下するという当たり前の原理です。
現在の能力を維持するためには継続的なトレーニングが必要という事です。
学業で言えば、計算能力、漢字暗記、社会暗記、理科暗記などは継続的にトレーニングを続けておかないと、やはり能力は低下します。
私も現役時代に比べれば「数学の難問を早く解く」という能力は明らかに低下しています。
計算、漢字などの能力が一定水準までレベルアップした後はその能力を維持するために、継続的な反復学習が必要という事です。
トレーニングも同様ですが、「維持」は意外と楽です。
計算などは毎朝の朝勉レベルでも充分学力維持は出来るかと思います。
特異性の原理
トレーニングの強度、方法によって効果は異なるという原理です。
速く走れるようになりたいのに、ベンチプレスばかりやっていても速く走るために必要な筋肉は鍛えられず、速くならないという事です。
算数で言えば、平面図形の能力を上げたいのに総合問題集ばかりやっていても効果はあがらないという事です。
問題点に対して適切な課題を提示し、それをクリアーする事が重要だという事です。
簡単な例)
問題点:計算間違いが多く、計算が遅い
課題:計算精度・速度を向上するためのトレーニング
対策:毎日の計算演習を実施する
全面性の原則
特異性の原理に示す通り、偏った筋力トレーニングだけを実施した場合、一部の筋力のみが強化されてしまい、全身の筋力バランスが崩れ、思ったような効果が得られないという事です。
重要な筋力を重点的に鍛えつつ、全身をくまなく鍛える事が必要であるという原則です。
一部例外がありまして、特定の競技に特化する場合、全面性の原則を無視した方が良い場合があります。
例えばマラソン選手であれば、全身をくまなく鍛えると体重が増加してしまい、遅くなります。上半身は必要最低限の筋肉にした方が良いでしょう。
しかしながら、これは競技レベルで鍛えた場合です。健康的な肉体作りが目的のランナーであれば、全身をくまなく鍛えて問題無いと思います。
算数で言えば 苦手単元を鍛えつつ、総合問題集で全単元の能力を鍛える事で全体的な能力向上が見込めます。
算数の場合、筋力と違い、各単元毎の繋がりもありますから、苦手単元だけでなく、全単元を学習する事で、結果として苦手単元の能力向上にも繋がると考えております。
漸進性の原則
漸進(ぜんしん)=順を追って少しずつ焦らず進める事
筋力トレーニングでは 焦って急激な負荷のトレーニングを実施してもケガばかりしてしまい逆効果です。
自身の能力を冷静に定量評価し、適切な過負荷を与える事が重要です。
以下の記事でも記載しておりますが、学業においては子や自身の能力を過大評価せず、適切な過負荷を与え、成長に導く事が重要です。
順を追って少しずつ焦らず進める
言うは易く行うは難し
ですね。
これって実は難しいのですよ。
適切な過負荷を与えるためには正確に自分自身や子を評価しなければなりません。
そのために、観察・分析が重要になります。
反復性の原則
どんなに優れたトレーニング方法でも反復しなければ能力向上しないという原則です。
筋力トレーニングの場合、週3~4回、2~3ヶ月程度 継続しなければ目立った効果が表れてきません。
学業も同じです。特に算数や物理などの思考系教科です。暗記系は効果が早いですね(笑)
顕著な能力向上が得られるまでには時間がかかります。
焦らず、反復学習を続ければ必ず成長出来ると考えております。
個別性の原則
人間それぞれ体格、骨格が異なりますから、全ての人に対して最適なトレーニングは無いという事です。
良いトレーニング方法をベースに自分流にカスタマイズしていく必要があります。
学業も同じで全ての人に最適な学習方法は無いと考えております。
性格、集中力、好き嫌い、色々な要素があります。
合う問題集、合わない問題集があるでしょう。
指導方法についても、兄にぴったりだった指導方法が弟には全く通じない
なんて話も良く聞きます。
算数道場でも各個人の特性を見極めて、色々と指導方法を変えて工夫しています。
色々な情報を集めて、トライアンドエラーを繰り返しながら、自分達親子にとって最適な手法を模索する
という恰好になるかと思います。
自覚の原則
このトレーニングは背筋を鍛えるため。
このトレーニングは瞬発系の筋力を鍛えるため。
トレーニングの意味を理解し、その能力を得るために、その筋力を使うイメージでトレーニングに打ち込む事で高い効果が得られるという原則です。
家庭学習においては、子に中々目的意識を浸透させる事は難しいでしょう。
しかしながら、指導者が以下のように目的意識を持って取組む事は容易です。
これは計算を早くするための学習
これは場合の数で数え間違いを減らすための訓練
これは平面図形で相似形を見つけるための定番手法を覚えるための訓練
Musuko氏、これは相似形を見つけるための訓練だから、答えは出さなくていいので、とにかく補助線を引きまくって相似形を見つけたらクリアーだよ。
オッケー!相似を見つけまくるよ!
このような感じで「何のための学習か?」を意識してもらえるよう工夫しています。
【余談】ダイエットのために
心拍数を基にゾーン分けしたトレーニング理論があります。
Garmin(スポーツウォッチで非常に有名)さんの記事が詳しいですね。
ちなみに昨日の記事で出て来た L1,L2などはこちらの記事が詳しいです。
ちなみにさらに余談ですが静岡富士ヒルクライム2022覇者の方の動画です。
中々このレベルに達するのは困難ですが、ロードレースの楽しさが分かる動画を沢山UPされておりますのでオススメです。
ダイエットの場合は
ゾーン2~3で脂肪燃焼
ゾーン3~5で筋力増強によって代謝向上
を維持するのが良いでしょう。
ただし、ランニング・サイクリングなどで筋力向上を狙うのはやや効率が悪いです。
筋力向上なら筋トレの方が効率が良いからです。
短時間高出力の運動の方が効率良く筋肥大出来るからですね。
以下の記事に記載しておりますスクワットがオススメです。
Sharari-man オススメのダイエットメニューとしては以下のようです。
■ゾーン2~3の運動
脂肪燃焼、筋持久力向上による疲れにくい体作り
■スクワット(筋力トレーニング)
代謝向上による太りにくい体作り
■糖質制限
炭水化物を控えめにして高タンパク、高ビタミンの食生活
鶏肉、イカ、野菜を沢山食べて、米・パンなどは控えめに
2~3週間くらい続ければ、体重が減少します。
すぐに効果が実感出来るので割とモチベーションも保ちやすいかと思います。
スクワットは3分程度で終わりますから、取組易いです。
慣れてきて、モチベーションが向上してきたらゾーン2の有酸素運動も追加してみる、くらいで全然良いと思います。
まずはスクワット運動から始めてみるのがオススメです。
ライザップなどの管理型ジムに行っても、スクワットを推奨される事が多いと思います。
楽しく運動に取り組んで、是非、疲れにくい体を手に入れて下さいね!
インフルエンサーの動画
さて、以下のような動画を発見致しました。
「ランニング絶対にやるな!」過激な意見ですね。
たぶんこういう書き方をすると、反論する方が大勢集まり、アクセス数が稼げるからだと思うのですけどね。
アクセス数を稼ぐために誤った知見を流布するのは如何なものか・・・・・。
「ランニング」と一口に言っても
■強度の低いジョギング
■中強度のスピードランニング
■高強度のインタバールランニング
など色々あります。
高強度のインターバルランニングを繰り返せば筋肥大しますから、動画中で紹介しているHIITと大差ありません。
※HIITの方が筋肥大しますが、インターバルランニングでダイエットレベルなら充分な筋肥大が見込めます。
ランニングが好きな人でしたら、中強度のスピードランニングでも筋トレより楽しく取り組めます。
こういう「ランニングをする人」「**高校に行っている人」「**国の国民」などと人をカテゴライズしてバカにする行為は好きではありません。
アクセス数を稼ぐ(お金を稼ぐ)ために意図的に書いているのでしょうけどね。
この方に限った話ではありませんが、最近このような
お金を稼ぐ>>>道徳
という方が多いように感じております。
もう少し、子供達への影響を考えて行動して頂ける方が増えると良いですね。
あとがき
全ての原理原則が学習に活かせる訳ではありませんが、多少は参考に出来る部分があるのではないでしょうか?
Sharari-manの運動の主な目的は以下のようです。
運動自体を楽しむ事(サイクリング)
疲れにくい体を手に入れて好きな事に打ち込む事
目的は十二分に達成出来ており、楽しく運動に取組む事が出来ております。
息子や道場生とサイクリングに行くのも本当に楽しいと感じています。
心身の成長のためには運動も必要です。
塾や家庭学習で忙しいとは思いますが、スクワットやゾーン3~4の有酸素運動など、短時間で終わるトレーニングを日常生活に取り入れてみては如何でしょうか?
疲れにくい体 が手に入れば、学習も捗ると思いますよ!
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
コメント【コメント非公開、メールでの返信を御希望される方はその旨をご記入下さい】
コメント一覧 (2件)
さらーりさん、こんにちは。
アメブロで交流はありませんでしたが、アメブロ削除される際に、メッセージをしたことのあるものです。
メッセージにてこちらのサイトを教えていただいてから毎日拝見しております。
素晴らしい内容のブログをいつもありがとうございます。
我が家の小一娘は、IQがほぼ軽度知的に近い水準(IQ70前半)ですが、最近ぴったりの5年算数に入りました。もちろん完全な理解は難しいので、日々反復学習をしております。
ぴったりの4年算数では5ヶ月程かかりましたが、言語能力が追いついていなかったため、まずはそちらを優先して漢字や文章読解を取り組んでおりました。
朝15分、夕方20-30分程の学習を週5日を目安にしております。正直小学校入学前は、ここまで計算が出来るようになるとは思っておりませんでした。
学習習慣も身につき本当にさらーりさんのブログに出会えて良かったです。
また私自身とても未熟な人間ですが、さらーりさんの考えをブログで学ばさせていただいております。こどもへの向き合い方はもちろんですが、物事への考えや取り組む姿勢は本当に尊敬しております。
今後も親子でまったり学習していきたいと思います。
しん様
こんにちは。
覚えておりますよ。いつもコメントありがとう御座います。
小1の御息女がぴたトレ5年生に入ったとの事、素直に凄いなぁと感じます。
毎日マイペースで楽しく学習に取組む しん様と御息女の姿が思い浮かびます。
私がブログ運営をする目的は社会貢献です。
しん様のように「記事を見て刺激を受けた」「記事を見て学習を始めた」と言って頂けると、私も少しは社会に貢献出来ていると感じ、大変嬉しく思います。
勿体ないお言葉ありがとう御座います。
私もまだまだ未熟で御座います。
しかしながら、成熟する事を目指し、生涯研鑽を続けるというのも楽しいものです。
お互い、誰かと比べる事無く、子の成長を絶対評価で感じ、喜び、楽しく家庭学習を進めていきたいですね。
何か質問等がありましたら、またお気軽にコメントを頂けましたら。
この度はお忙しい中、わざわざコメントを頂戴した事、大変感謝致します。
ありがとう御座いました。
ではまた!