さて本記事では静岡大学教育学部附属 島田中学校の入試について紹介致します。
はじめに
静岡県では公立中学、国立中学、公立高校の人気が高い状態です。
よって県内には
中学受験をするなら国立
附属中学ね!
と考える方が多い事が特徴です。
また西部地区では 浜松西という公立中高一貫校も大変人気があります。
一方、他県と異なり私立中学の人気は高くありません。
県内では 私立<公立 というイメージが根強く存在しており、私立中学の発展を阻害しているとすら感じます。
そんな公立優位の静岡県ですが、県内で非常に人気が高く、県内トップ公立高校への合格者が非常に多いのが今回ご紹介する中学です。
系列校が浜松、静岡にもあり、入試問題は共通のようです。
いずれも人気の中学ですが附属島田と異なり、小学校からの内進生が多いのが特徴です。
附属島田中学校 概要
同系列校として 附属静岡中学校 附属浜松中学校 が存在します。
通称:しまふ
募集定員:108名【2023年現在】
条件:概ね1時間以内で通学出来る方
入試:学力検査【算数・国語・集団面接】
★教育
高校受験に特化したカリキュラムではなく、論理的思考力を養う事を重視したカリキュラムのようです。
よって高校受験の勉強は家庭か塾で取り組む事が基本になるようです。
★進路
静岡高校へ進学する方が 1/3~1/2程度です。
その他では 掛川西、藤枝東、静岡学園、沼津高専などに進学される方が多いようです。
入試問題の難易度
概要
県外の難関中学と比較して非常に易しい。
四谷大塚偏差値で45程度の学校と同レベルの問題と考えれば良いと思います。
県内の入試問題の難易度としては
静岡聖光 > 附属中学 > その他
というイメージです。恐らく聖光が最も難易度が高いと思います。
公立中高一貫である浜松西については適性検査がやや特殊ですから単純比較が難しいと言えます。
ちなみに聖光は四谷大塚偏差値49です。
偏差値は以下のHPで確認が可能です。静岡は殆ど掲載がありません。
算数
■四谷大塚予習シリーズ5年上下 本体が完璧 ほぼ満点
演習問題集の基本問題、練習問題まで処理出来れば大丈夫です。
最難関問題集に掲載されているような難問は殆ど出題されません。
予習シリーズ以外で例を挙げると
■自由自在問題集を完璧にすれば高得点~満点
■トップクラス問題集4年を完璧にすれば高得点
学校のカラーテストでは殆ど高得点が取れているお子様という前提です。
基本的な中学受験算数の出題が殆どです。5年生後半~6年初期から学習を始めても、学習習慣が身に付いているお子様でしたら、充分に間に合わせる事が可能なレベルです。
【参考】学校のカラーテストは満点だが中学受験勉強をしていないお子様が受験した場合
高得点は難しいでしょう。取れても30~50点程度だと思います。
逆に言えば、中学受験勉強をしなくても30点程度は取れる難易度だという事です。
学校の成績が良いからといって家庭学習無しで受験するのは 無謀です。
上述した 予習シリーズ・自由自在問題集などに取組んだ上で受験すれば満点が狙えると思います。
国語
国語はやや難易度の高い問題が出ることもありますが、県外の難関校と比較して易しいと言えます。
四谷大塚偏差値で45〜55レベルの中学と同レベルの難易度です。
漢字、語彙ともに基本的な出題が多く難問は殆どありません。
語彙に関しては以下の記事を御覧下さい。
以下の記事内の ふくしま式 まんがで覚えて~ レベルが完璧であれば概ね対応出来ると思います。
読解は素直な問題ですが、やや記述が多いため、作文力が問われます。
予習シリーズ5年本体・演習問題集までの内容を完璧に仕上げれば高得点は間違いありません。
記述問題の指導に自信が無い親御様は国語だけでも通塾するのが良いと思います。
国語力をすぐに向上させるのは非常に難しく、低~中学年からの積み重ねが重要です。
漢字・語彙・文法を中心に焦らず学習を進めれば、高得点は容易だと思います。
以下の記事も参考にしてみて下さい。
国語は全ての学問の土台になりますから、受験対策だけに注力するのではなく、漢字・語彙・文法を学年を超えて学んだ上で色々な本を沢山読むと良いでしょう。
面接
知人からの情報のみです。
よって情報のサンプル数が少ないため、正確な内容や判定基準は不明です。
インタビューした印象をお伝えすると以下のようです。
■常識的な道徳観を持ち、論理的な受け答えが出来る
■質問に対して的確に解答出来る
例)
Q:~したのはなぜですか?
A:~という情報から~と考えたからです。
Q:~はどう思いますか?
A:~という情報に基づいて考えると~だと言えると思います。
小学生の場合、回答になっていない回答をしてしまうお子様が多いと思います。
普段の会話から 論理的な受け答えが出来るように訓練すると良いでしょう。
親御様の腕の見せ所と言える部分です。
御家庭での訓練が難しい場合は面接対策だけでも通塾を検討しても良いと思います。
初めての集団面接は緊張すると思います。
この点は塾での模擬面接などは有用でしょう。
入試対策のまとめ
■算数
以下のいずれか
予習シリーズ5年本体・演習問題集(基本・練習)まで
自由自在問題集 全て
トップクラス問題集4年 全て
を達成した上で 10年分程度の過去問演習に取組めば高得点は堅いと思います。
■国語
予習シリーズ5年本体・演習問題集まで
予習シリーズ6年本体まで進めておくと、その後の学習に好影響
予習シリーズの最難関問題集については取り組まなくても高得点は充分可能です。
漢字・語彙は進学後の学習を考えれば、やればやるほど良いので積極的に取り組みましょう。
以下の記事を参考にやれる範囲で進めれば問題無いと思います。
最低ラインとしては ふくしま式 まんがで覚えて~ までを学習しておけば知らない語彙が出てくる事は少ないと思われます。
過去問演習は10年分程度で良いでしょう。
出題形式に慣れる目的です。10年分に繰り返し取り組み、出題パターンを覚える事で本番での緊張も薄れ、解くスピードも向上すると思います。
■面接
普段の会話から論理的に会話を出来る訓練を心掛ける。
御家庭での訓練が難しい場合は通塾し、模擬面接等を受けると良い。
■準備にかかる期間
お子様の現在の学力による という前提が当然つきます。
という事でお子様の現在の状態別に書いてみます。
学校のカラーテストではいつも9割以上の点数が取れており、理解出来ている
5年後半から1年間、毎日2時間程度の学習に取組めば充分に間に合います。
土日や連休中に集中的に学習出来るお子様でしたら6年生からでも間に合います。
学校のカラーテストでは6割程度しか取れておらず、各単元の理解が怪しい
まず学校レベルの基礎から習熟が必要ですのでやや時間がかかります。
それでも、平日2時間 土日に3時間程度の学習が出来るお子様でしたら5年後半からでも可能と思います。
6年からですとカリキュラムが厳しくなりますが、長期休暇中に集中的に学習すれば充分に間に合うでしょう。
夏休みに毎日一生懸命4時間以上程度勉強すれば高得点を取る事は充分可能です。
学校のカラーテストでは3割程度しか取れておらず、殆どの単元で理解が怪しい
まず学校の基礎レベルからの学習です。3年~4年生の単元から既に理解が怪しいはずです。
よって時間はかかりますが、5年生の中頃から本格的に平日2時間程度の学習に取組めば何とか目標学力に到達出来ると思います。
教科書ぴったりトレーニングの4年あたりから始めて、半年程度で6年まで終わらせましょう。
そこから自由自在問題集などに取組めば充分間に合うと思います。
附属中の教育カリキュラムに関する注意点
附属島田中学は中高一貫ではありません。
よって高校受験が必要になります。
教育カリキュラムは独特で、高校受験勉強は殆どせず、論理思考を養う訓練を多く行います。
高校受験勉強に特化したカリキュラムではないため、多くの学生が塾に通っているようです。駅前の予備校に通っている方が多いようです。
高校受験をする必要がありますから
中学受験をする意味は
「附属島田の独特な教育が受けられる」
「優秀な学友に出会える」
という点のみです。
この点に魅力を感じる方は受験を検討されても良いと思います。
盲目的に 附属中が人気だから附属中 ではなく 子供にどのような教育を授けたいのかを考えた上で進路選択をする事をオススメ致します。
Sharari-manは家庭学習にしっかり取り組み、学習習慣を身に付ける事が出来ていれば学校はどこでも問題無い
というスタンスです。
このスタンスに立って考えれば高校受験を回避出来る私立中高一貫が魅力的です。
よって息子は今のところ県内の私立中高一貫に通う予定にしております。
中高一貫の魅力は 高校受験が無い事です。
内申を気にせず、高校受験のためだけの学習をせず、先々を見据えた自由な家庭学習に取組めるという点に私は魅力を感じています。
学習のベースは家庭学習あるいは予備校
内申点を過度に気にせず、高校受験を回避して、大学受験・社会に出てから活躍するための能力を磨く時間を確保したい
と考えている親御様は中高一貫がオススメです。
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
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コメント一覧 (2件)
はじめまして。
優秀なお子様の学習進度にただただ感動しました。
お子様に伴奏するShrari -man様に相談があります。
我が娘は、塾なし高校受験で藤枝東を志望する中学2年生です。
学校からも県模試の判定も現段階ではどこの高校も受かる、といわれているのですが、ひとつ気がかりなのは理社の記述の点数が近頃下降ぎみなことです。
高校受験は突破できても、大学受験の国立大二次で記述中心になったとき足かせになるのでは、と心配しています。
理社の記述をあげるには何をしたらいいでしょうか?
知識面では定期テストで高得点をとれて、教科書もよく読み込んでいるので問題ないようにみえます。
国語力のなさに起因しているのでしょうが、国語は中2の夏休みにオンラインで指導を受けて、県模試偏差値60→68にあげました。
理社の記述をあげるのも、やはりプロにたのんだらいいのか。
塾にいったらいいのか。。。。悩んでいます。
高校受験の塾は英数重視なのがネックです。英数は独学でできます。
お忙しいでしょうので、お時間があるときでいいです。
いきなりのメールで、あつかましいと思いますが。
相談にのっていただけたら嬉しいです。
大橋様
こんばんは。Sharari-manで御座います。
返事が遅くなってしまい申し訳ございません。
■理社の記述について
理社の記述問題は以下の能力が必要です。
・知識
・資料分析
・要約して文章化する
お子様がどこで躓いているのかを分析するのが良いでしょう。
■知識が無い
基本的な原理原則は理解している前提で作問されておりますから、基本的な原理原則をしっかり暗記します。
■資料分析
例えば
グラフから何を読み取り、そこから何が言えるのか。
実験条件からどう推察し、そこから何が言えるのか。
これが出来ているかを確認します。その際、要約出来ているか?などは問いません。
分析が出来ているかどうかだけを確認します。
■要約して文章化出来ているか
知識・分析が充分であり、記述が出来ていないのであれば、要約して文章化する能力が不足しています。
例えば以下のような対策が有効です。
・ふくしま式を用いた国語力の向上
・数学の証明問題
お子様の場合、基本的な国語力はある程度身に付いていると予想されます。
数学の証明問題は要約する練習に効果的です。
証明問題は理路整然とAだからBである。CだからDと言える。よってCはEである。
このように論理的に要約する力が身に付けられます。
数学の論証が苦手な方は概ね理社の記述も苦手なように思います。
中学レベルの証明問題は非常に簡単ですから高校数学の先取り学習をオススメ致します。
高校数学の先取り学習を進め、論証問題に取り組む事で論理的思考力が向上し、結果として理社の能力も向上すると思います。
もし「文章化する」という部分に不安があるようでしたら、ふくしま式などで国語の基礎を学ぶ事をオススメ致します。
ちなみに算数道場においては 国語、算数、数学を主軸に指導しておりますが、この3つの教科の能力が高いお子様が理社の記述で困った事はありません。
■プロに頼んだ方が良いのか?
「テストで得点を取る」事に関してはプロに頼むと一定の効果が得られると思います。
記述問題における部分点の稼ぎ方など、いわゆる「受験テクニック」について学ぶ事が出来るかと思います。
このようなテクニックは大学受験まで有効ではありますから、学んでおいて損は無いとは思います。
※ただし、このようなテクニックは社会に出てからは殆ど役に立たない事を御承知おき下さい。
■静岡県 公立高校入試について
静岡県の公立高校入試は県外の難関私立や難関公立と比較して非常に易しくなっております。
難問は殆ど出題されません。
よって高得点勝負となります。また内申点が非常に重要です。
このような環境下では以下のような能力が非常に重要です。
・テストでケアレスミスをしない
・副教科も手を抜かず内申点を稼ぐ
少しでも大橋様の御参考になる部分がありましたら望外の喜びです。
また何か御座いましたらお気軽に御質問下さい。
ではまた!