2023.12.24 加筆修正
さて本記事では算数道場や息子の学習における基本的な方針について御紹介致します。
通塾に関する部分に関しては全ての塾を調査した訳ではありませんから、大いに推定を含んでおります。
この人はこういう風に考えているのね・・・
くらいの温かい気持ちで読んで頂けると幸いです。
難関中学合格が至上命題と考えておられる方は、読む必要の無い記事だと思いますのでスルーして頂ければ良いと思います。
通塾の問題点
塾に通うのにあたり、普通は明確に目標があるはずです。例えば以下のようです。
- 志望校に合格する
- 資格試験に合格する
これらはどちらも期限が決まっており、ある時期までに一定の能力を身に付ける必要があります。
中学受験では
小学6年生の1月までに。
大学受験では
共通テストまでに。二次試験の日までに。
期日が決まっておりますから、学習カリキュラムには時間軸が設定されます。
予習シリーズで言えば 小5第**回 というように
何年生の何月までにこの内容を理解し、極めなければならない
と決められています。
中学受験では 自学自習能力の低い小学生 がこのカリキュラムをこなします。
塾の授業だけで理解出来るお子様は少数派です。
よって 如何に効率良く家庭学習に取組めるか が カリキュラム通りに履行出来るかを決定します。
効率良く家庭学習に取組めるかどうかは 以下のような内容によって決定されます。
- お子様の発達状況(集中力、論理的思考力、粘り強さなど)
- 親御様の指導力(情報収集能力、観察・分析能力・学力、粘り強さなど)
よって
お子様の状態、親御様の状態によっては カリキュラム通りに履行する事が困難な場合があると予想されます。
しかし、カリキュラムは止まってくれません。
塾は 一定数のお子様が付いてこれなくても良い と考えているからです。
塾は営利企業ですから
利益向上と業容拡大が至上命題です。
そのための手段の一つとして 難関校の合格実績を積み重ね、それを喧伝し、高い広告効果を得る というものがあります。
その広告効果によって入塾者を増やし、利益を得るという図式です。
塾の運営を考えれば、教材研究・制作,入試研究にかかる費用は塾生の数に依らず固定ですから、入塾者が増えれば増えるほど利益が増大する事になります。
すると利益最大化のための手法として、【難関校 に合格するためのカリキュラム・指導】に力を入れる事で、難関校合格者を増やし、その実績を広告に使用し、入塾者を集める という経営方針を立てている塾が多いと予想されます。
よって、塾が最も力を入れて指導するべきは必然的に 難関校合格が狙える生徒 という事になりますから、基本的に難関校に合格出来る能力を持った生徒を基準としたカリキュラムにならざるを得ません。
そのため、上述した以下の能力が劣る御家庭はカリキュラムから取り残され、非常に苦しい思いをしながら通塾する事になります。
- お子様の発達状況(集中力、論理的思考力、粘り強さなど)
- 親御様の指導力(情報収集能力、観察・分析能力・学力、粘り強さなど)
これは一般論ですから、営利企業である塾が運営すると基本方針はこうなるという事です。
彼らも社員(講師)の生活を守る(利益を稼ぐ)義務がありますからね。
例えば武田塾さんなどは難関校に拘らず、志望校に合わせた指導をして下さると思います。(フランチャイズですから校舎によりますが)
他にもお子様のペースに合わせたカリキュラムで親身になって指導して下さる塾もあるかと思います。
中学受験塾では下位クラスでも公立小に比べて高度な内容に取り組んでいます。
塾生全員の個々の能力に合わせたカリキュラム構築は難しいというのが実情だと考えております。
親子のメンタルが破壊されがちな中学受験
中学受験塾では 毎週のように模試による相対評価が実施され、常にカリキュラムに付いていけているかを監視されます。
公立小学校のカリキュラムから考えれば、異常に高度な内容を学んでいます。
その中で偏差値40もあれば、公立小学校ではトップ層のはずです。
にも関わらず、
うちの子は他の子と比べて・・・・
僕は友達と比べて・・・・
と思い悩みメンタルが破壊されがちではないでしょうか?
いつも遅れがちなカリキュラム学習。
毎週出てくる新単元。復習もままならない。
気持ちが焦り、落ち着かず、復習・予習が出来ない。復習・予習が出来ていないから模試も出来ない。自己肯定感は低迷し、気持ちも落ち込み、主体的に学習に取組む意欲が湧かない。
こんな御家庭が一定数いらっしゃるのではないかと思います。
Musukoと道場の学習スタイル
息子と算数道場は ほぼ 個別指導塾 に近いスタイルです。
恐らく 武田塾様 のようなカリキュラム管理型の塾・予備校が最も我が家(算数道場)の進め方に近いと思います。
違いはと言えば、我が家は 「いつまでに難関校合格,資格試験合格」 という明確な時間軸を持つカリキュラム設定をしていない点です。
お子様が無理の無いペースで進められる内容を地道に粛々と進める というスタイルです。
例えば
塾で苦手な単元が出てきた場合、理解が不十分なままカリキュラム学習は進んでしまいます。
我が家では苦手な単元が出てくれば、立ち止まり、充分理解が出来るまでそこで立ち止まります。
学習が楽しくなってくれば自ら取り組む時間も増え、自ずとペースが上がる。
このように考えておりますから、学習の楽しさを知ってもらうための指導をしています。
無理にカリキュラムを進める事はありませんし、お子様毎にカリキュラムを調整して進めています。
全員に対する努力目標としては以下のようにしております。
小学校卒業までに中学3年までの教科書ぴったりトレーニングを終わらせる
これはかなり緩めの目標です。
やってみると分かりますが、公立カリキュラムはかなり緩やかなため、コツコツ家庭学習を進めれば大多数のお子様が中学3年までたどり着けると考えています。
中学3年までの先取り < 予習シリーズ5年までの履修
これは間違いありません。予習シリーズ5年の方が確実に難しいです。
現在のところ、この目標は全員余裕を持ってクリアー出来ております。
まとめと提言
■通塾の問題点
カリキュラムは基本的に難関校に対応出来るように組まれている。
理解が追い付かなくてもカリキュラムは待ってくれない。
お子様の発達状況・親御様の指導力によってカリキュラムに対応出来るかどうかは決まる。
補足)
理解が不十分のお子様に対するフォローの具合というのは塾によると思いますが、塾生全員に対して手厚いフォローを実施するのは講師の工数不足により困難でしょう。
この点は個別指導塾や家庭教師の優れている点だと思います。
■通塾におけるメンタルの問題点
絶対評価ではなく相対評価であるため、「他のお子様より頑張ったかどうか?」が評価され、「自分が昨日より成長した事」は評価されがたい。
よって自己肯定感が低下しがちで親子共にメンタルが破壊されやすい。
※Sharari-manの個人的な推測です。
■提言
中学受験の学習ペースは大変早いため、一旦カリキュラムから遅れると、授業に付いていけなくなります。
よって、カリキュラム学習に付いていけていない御家庭の方は一旦塾のカリキュラムから離れて、御家庭あるいは個別指導塾で別カリキュラムを構築して取り組んでみては如何でしょうか?
メンタルを破壊されて、落ち込んでいる親御様のブログを見ると大変悲しい気持ちになります。
親子バトルが頻発する状態は良い状態とは思えません。
お子様が学習嫌いになってしまう可能性が高いと思います。
カリキュラム例
- 中学3年までの先取り学習を進め、難易度低めの私立中高一貫に入学し、大学受験のための先取り学習を進めるカリキュラム
- 中堅私立中高一貫を目指して、中堅レベルの学習に特化した学習を進めるカリキュラム。
例えば、予習シリーズの例題・類題を中心とした基礎問題のみに取組み、応用問題には取り組まない。
予習シリーズ6年には手を出さず、予習シリーズ5年の復習中心の学習。 - 公立ルートの先取り学習を進めつつ、社会に出てからも役に立つ 論理的思考力、粘り強さなどを得るための学習中心に取り組み、学習の楽しさを理解して主体的に取り組む心を養うカリキュラム。
学習は本来楽しいものです。
学習の目的は本来、テストの点を取るためではなく、社会貢献に活かすための能力を得る事です。
塾のカリキュラムに苦しんでいる方は
「少しでも昨日の自分より成長した」事を認めてくれる、学習を楽しめるカリキュラムの採用を検討してみては如何でしょうか?
こちらの方が結果として効率の良い学びに繋がると考えております。
道場では明確な時間軸を持つカリキュラムを設けておりませんが、結果として殆どのお子様が高校数学まで学んでおりますし、中学受験算数にも対応出来ております。
この実績から、楽しいという気持ちを持って主体的に学ぶ事が、結果として効率の良い学びに繋がる
と考えております。
小学生の時から他人との相対評価で悩まなくとも良いかなと思います。
絶対評価で成長している事を親子で喜んでいれば、学習自体が楽しくなりますから、是非「楽しい家庭学習」に取組んで頂きたいものです。
あとがき
難関校合格、偏差値50以上 が至上命題だと考えていると疲れてしまうのだと思います。
難関大学に合格したらバラ色の人生が待っている訳でもありません。
まだ小学生です。
「学ぶ事って楽しいな」
とお子様に思ってもらえたら、それだけで家庭学習は大成功だと考えております。
楽しく家庭学習に取組める御家庭が増える事を願っております。
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
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コメント一覧 (2件)
さらーりさん、こんにちは。
いま、正に今回の記事のようなことに悩まれているお友達のママ友ブロガーさんが、私の身近にいらっしゃいます。
そっくり中身そのままのご様子なので、思わずコメント欄に出てきてしまいました(;_;)
中受で悩まれている記事を目にすると、とても心配ですし、いたたまれない気持ちになります。
どうかこの記事が、お友達のママブロガーさんのような方に届きますように祈っております。
ベリーズ様
こんばんは。Sharari-manで御座います。
中学受験ブログを見て回ると悩まれている方が多いですよね。
中学受験はカリキュラム自体は優れていると思いますが、時間が厳しいので付いていけないお子様が多いと思うのですよね。
親子で楽しみながら学習する事がハッピーだと思うのですが。。。。
道場生や息子には過剰なノルマを与えていないため、自発的に楽しそうに取り組んでおります。
ベリーズ様におかれましては、暗記カード作成など丁寧に色々な工夫をされていて、それが少しずつお子様の能力向上に繋がっていると思います。
そして、すぐそばで「子の成長」を感じられて、「私ももっと頑張ろう」と思えているのではないでしょうか?
私は凄く楽しいと思って取り組んでいます。
息子や道場生の成長を見るのが楽しみですし、そのサポートをするための努力も楽しく感じます。
「今日私が教えた事を子供達が身に付け、それがいつか他の誰かの笑顔に繋がる」
こう考えると、とっても楽しいし、嬉しいですよね。
一度しかない子育てです。家庭学習を楽しみながら良い思い出作りが出来る。そんな御家庭が増えると良いのになぁ なんて考えております。
ではまた!