MENU
カテゴリー
最近のコメント

コメントに対する回答 2023.09.16

さて読者様から質問を頂きましたが、大変長文になりそうでしたので記事にて回答させて頂きます。

読者様の名前を挙げる事は致しませんが、内容から「私への回答だ」と汲み取って頂けるものと考えております。

このようなコメントは大歓迎です。

私も様々な事を考えるきっかけになりますし、楽しく執筆させて頂けます。

回答者がSharari-man という若輩者で宜しければ、皆様どうぞお気軽にコメントを頂けましたら。

2023.09.22 潜在能力の項目について少し追記致しました。

目次

先取り学習の効果によって全統小で高い得点率を取得出来るのか?

さて、算数道場では全員がぴったりトレーニング中3までを終え、高校受験数学をマスターするルートで学習しております。
高校受験数学マスター時点での能力目安としては以下の通りです。

■静岡公立高校入試 安定して95%以上
■大阪C問題 安定して85%以上
■山本塾 計算問題集 全ページクリア
■さかもと式 漢字 全ページクリア
■ふくしま式 一式
■語彙 15歳までに~ 習熟中

このレベル感というのは 高校受験生の中で偏差値70程度だと考えております。
具体例で言えば
「数学は大阪北野高校に合格可能なレベル」です。

このレベルに達していれば、全統小の小6算数レベルであれば、殆どの問題が解けます。
全統小の最終問題など 如何にも「難しい算数」という特殊な問題以外は解ける状態です。


また、全統小は基本を重視した得点構成になっており、「難しい算数」は得点が低い為、落としても被害が大きくありません。
ケアレスミスが無ければ85%程度の得点率は問題無く可能です。
全統小では概ね85%程度の得点率で偏差値が70程度となる設計になっております。

小4生、小5生に 小6の子が貰って来た全統小の問題を解かせる事がありますが、問題無く偏差値70程度である得点率85%以上の取得が可能となっております。

さて、道場に通っていない中3生で同レベル帯(例えば北野高校受験生)が全統小を受験した場合について考えます。全員が得点率85%を取得する事は難しい場合が多いと考えます。

理由は計算能力の不足だと考えます。
高校受験数学では中学受験算数ほどの計算力は要求されません。
よって単純な四則計算における計算能力が低いため、得点率が低くなると予想致します。
※この点については統計を取った訳ではありませんから推測です。しかし高校受験問題を見ても中学受験ほどの計算能力が要求されていない事は明らかですから、一般的には「そうなるだろう」というイメージです。

先取り学習の効果によって全統小で高い得点率を取得出来るのか?

「全統小の偏差値向上」という観点から言えば、先取り学習はそれに特化した学習ではないため、「先取りが良い」とは言えません。
しかし、「先取り学習によって全統小の大部分の問題をカバー出来る」とは言えます。
実際に道場生が高得点を取得出来ているからです。

また、一般的な「数学に特化した先取り学習」では無く、計算能力・漢字・語彙・「読書」について並行して学習している事が算数道場の強みであると考えています。

全統小で高い得点率(例えば85%以上)を取るためには

基本的な数学能力(方程式の処理、論理的思考)
高い計算能力(四則計算の早さ、計算の工夫)
高い情報処理能力(文章を早く読み解答を導く力)

が重要となります。

また更に高い得点率(例えば95%~)を取るためには上記の他に

中学受験算数への問題慣れ
サイコロなど特有問題への慣れ

が必要となります。

道場のお子様は以下の状況が多いです。

小5、小6生(予習シリーズ学習有り)
小4生(数学先取りのみの場合が多い)

小5~小6生は 満点に近い得点率を取得する一方で小4生は「難しい算数」が解けず偏差値70程度の場合が多くなっております。

以上の事から先取り学習と全統小に関する私見を以下のように述べたいと思います。

算数道場の中学数学カリキュラムを処理する事で全統小 偏差値70(得点率85%)以上が可能である。
それ以上の得点率を望む場合は予習シリーズなどの中学受験算数を学ぶ必要がある。

さて、大手塾の模試においても似たような状況ではありますが、例えば浜学園様、SAPIX様、日能研様において模試で測ろうとされている能力が異なるように感じます。

概ね以下のイメージでとらえております。

浜学園様:関西難関校に準じた問題
SAPIX様:関東難関校に準じた問題
日能研様:基礎重視で関東・関西に偏重しないバランスの良い問題(やや易しい)

よって大手塾の模試を受けた場合、塾によって道場生の結果もバラツキます。
また、受験時に「予習シリーズ+高校数学」まで学習が進んでいるお子様も多く、完全に先取り or 受験算数 が切り分けられておりませんので、「先取り」の寄与度は不明です。

以下の記事で数学検定と中学受験の関係について私見を述べております。
受験算数を全く学ばない状態で数学検定準1級レベル(高3)で 小6大手塾模試を受けた場合、概ね偏差値63程度では無いかと考えております。
こちらの記事は 小6の大手塾模試を想定しています。

小4模試に関しては大きく上振れ
小5模試に関しては上振れ

と考えて頂ければよいかと思います。

以上の事から先取り学習と大手塾模試に関する私見を以下のように述べたいと思います。

算数道場の中学数学カリキュラムを処理する事で以下の結果が可能である。
大手塾4年模試 偏差値63以上が可能である。(受験算数の難問が少ないため)
大手塾5年模試 偏差値50以上が可能である。(受験算数の難問がやや多いため)
大手塾6年模試 偏差値45以上が可能である。(受験算数の難問が多いため)
それ以上の得点率を望む場合は予習シリーズなどの中学受験算数を学ぶ必要がある。

個々に合わせた指導が良い結果を生んでいるのか?

算数道場以外で 家庭教師を付けているお子様、個別指導塾に通われているお子様 の学力情報の入手が難しく、比較が困難です。

算数道場は 間違いなく 「個々に合わせた指導」 という指導形態です。

集団授業と異なり、理解が不十分なまま先に進みません。
苦手単元は充分な時間をかけて演習をします。
定期的なテストによって能力確認を実施し、適切な復習教材を提供します。
モチベーション向上に尽力します。

このような形態で学習を実施しております。

集団授業は実際のところ、「授業難易度にぴったりの能力」の方以外は大変効率の悪い学習方法です。

理由は以下のようです。

既に理解している単元の反復学習
全く理解出来ていない単元の反復学習が無い
進度が遅い(本を読んだ方が早い)
進度が早い(ついていけない)

よって「個々に合わせた指導」が最高効率になるかと思います。

算数道場と個別指導塾、家庭教師の違いは

24時間質問対応(ZOOM、teams、LINE)
近隣なのでいつでも聞きにいける
個別集団教育(個別指導だが共に学ぶ仲間がいる環境)
手厚い理解度確認と反復学習
変な爺さんが楽しく教えてくれる(モチベーションコントロール)

などが挙げられます。

さて、全く事例は異なりますが社員教育において25年ほどアンケート調査を実施しており

「モチベーションと能力の向上」という観点で人体実験を続けております。

データは公開出来ませんが、「大変相関が高い」というデータになっております。

例えば監視項目は以下のようです。

与えられたテキストを指示通り処理していない。・・・C
与えられたテキストを指示通り処理している。・・・B
与えられたテキスト以外の関連項目を自ら情報取得している。・・・A
与えられたテキスト以外に取組みかつ多数の質問を投げかけてくる・・・S

という形で「モチベーションと相関の高い行動」を個別評価し、能力との相関について検証しています。

当たり前のようですが、「S」が多い受講者は大変伸びが良いです。
しかしながら、この「当たり前のデータの積み重ね」が大事であると考え、継続的に情報収集しております。

道場でも似たような情報収集をしておりますが、なぜだか全員が「S」判定が殆どです。

子供というのは本当に好奇心旺盛であり、「物事を楽しくすることに長けている」と感じます。

Sharari-man

手前みそでは御座いますが、Sharari-man氏はモチベーションの維持向上について大変頑張っております。
高モチベーションの維持が能力向上に対する寄与度が高いと考えているからです。

楽しむことがよいのか?

これについては「個々に合わせた指導が良い結果を生んでいるのか?」にて殆ど回答が済んでおりますが、以下の内容について考察させて頂きます。

学習指導において優先・重視すべき項目

1.モチベーション(マインド)が上がる 楽しむ
2.モチベーションを下げる圧力を少なくする
3.潜在能力
4.学習効率
5.周囲の環境

1.2 モチベーションについて

1.2については私が最も重視している項目です。
この2点が学習者の能力向上を左右する最も大きなファクターであると考えております。

3 潜在能力について

3については私は以下のように考えております。

超優秀層、超劣等層(劣等という言葉が好きではありませんが、他に良い言葉が無かったため御容赦下さい)以外の部分に関しては 指導者の能力と本人のモチベーションによって変動可能な範囲だと考えております。

提示可能な事例と致しましては甥っ子でしょうか。

中学3年時点で四則計算が怪しい状態(下位10%前後)から公立中学学年トップの数学力まで急成長致しました。
本人のモチベーションと指導者の適切な指導があれば、能力が伸びるという良い例かと思います。

さて、将棋などは「才能」に関して非常に興味深い題材です。

まずは以下の動画を御覧下さい。

一般の方にはまず不可能な芸当でしょう。
渡辺明氏によりますと、「将棋界全体の平均で2問程度」ではないかという推測です。

将棋人口は以下のようです。

プロになれる可能性がある、10台~20台までの人口で 14.8%ですから

680万人×0.148 = 約100万人 が プロに慣れる可能性がある人口です。

この中で本気で取り組んでいる方を 仮に15%程度しますと 約15万人です。

現役の奨励会員は 180人程度のようですから

180/150000 = 0.0012 = 0.12%

奨励会に入る時点で 0.12%の狭き門です。

この中でプロに成れる方は 4人/年 となっておりますから

4/150000 = 0.00027% です。

まさに「選ばれし者」という感じですね。

この0.00027% という極小のふるいに掛けられた方の中でも 藤井竜王・名人という突出した人材が出現します。

このあたりまで絞られる訳ですから、渡辺明氏が「将棋は才能」と言うのにも納得感があると考えております。

一方難関大学の比率は以下記事のようです。「難関大」の定義次第ですが、将棋ほど狭き門ではありません。

27人1人 つまり 約3.7% 程度となっております。

上に示した Sharari-man の図では 上位3% としておりますが、この辺りを根拠として 3% としています。

Sharari-manの本心は 「才能が無ければ辿り着けない領域」は将棋の世界くらい( 0.00027% )では無いかと考えておりますので、かなり甘めの見積もりです。

プロ野球選手になれる確率なども1%を切っておりますし、「才能が無ければ辿り着けない領域」というのは、1%を切るレベルなのかなと現段階では考えております。

4.学習効率について

4.学習効率 については以下のように考えております。

効率の良い状態とは?
目標達成のために必要な能力が短時間で習得出来る状態

効率の悪い状態とは?
目標達成のために必要な能力習得に長時間かかってしまう状態

よって、「学習効率」とは「目標」によって値が変動するものだと考えております。

つまり、高い学習効率を得るために指導者が管理・構築すべき内容は以下のようです。

  • 明確な目標設定
  • 目標達成のために必要な能力分析
  • 能力を得るために必要なカリキュラムの構築
  • カリキュラムに準じた適切な指導
  • モチベーションコントロール

具体例として算数道場の例を簡素化して挙げてみます。

  • 社会で活躍出来る能力を得る事(道徳、継続的に努力出来る力、論理的思考力など)
  • 高校数学・物理・国語など大学受験までの学習全般および受験算数、機械設計など
  • 道場の学習カリキュラム
  • Sharari-manの指導およびサポート(能力把握含む)
  • 楽しい家庭学習

これらが維持・管理出来ていれば高い学習効率が得られると考えております。

算数道場では割とシステマチックに管理しておりますが、これは長年の新人教育経験が活かされているのだと思います。

5.周囲の環境について

「周囲」に指導者を含める場合は周囲環境は重要です。
「周囲」に指導者を含めない場合はクリティカルなレベルで重要ではないと考えています。

例えば算数道場生の学友は殆どが「先取り学習をしていないお子様」です。
道場は週1回4時間程度です。

この程度の接点で凄まじい相乗効果を生んでいるとは思えません。

社会に出れば 「周りがどうあれ一人で研鑽し続ける能力」 が大変重要です。

「このような能力を子供の時から育成するため」 という 観点で見れば、周りがあまり勉強していない環境(例えば公立小、公立中)という選択も良いでしょう。

ただし、算数道場でも見られますが

競争心によるモチベーション向上
共に学ぶ仲間による切磋琢磨

などによって学習効率が向上する例もあるかと思いますので、多少は環境が影響すると考えます。

大学レベルまでいけば

どの研究室で研究したか?
何に興味を持ち、何を研究したか?

などにおいて環境の影響が大きくなってくるとは思います。

しかしながら いつの時代も 「研究者・開発者は孤独である」 と考えておりますので、環境に依存しない能力を身に付けて欲しいと考えています。

「研究者・開発者は孤独である」の真意は
能力が向上し、最先端の研究・開発になればなるほど、周りに相談できる人は減り、理解出来る人も減り、どんどん孤独になっていくという意味です。

これは研究・開発の内容によるかと思いますが、殆どの場合、このように孤独化が進む傾向があると考えています。

Musukoの現状について

息子は頑張っておりますが、まだまだ向上が必要な学習者です。

私から見ればエンジニアとしてはまだまだ未熟ですし、知らない事も多数あります。

彼の特筆すべき点は「高いモチベーション」です。

いつも何かを考え、挑戦し、失敗にめげず、進み続けています。

小学生の段階でこのような諦めずに継続する力を得られたのは本当に良かったと思います。

潜在能力・才能論について

さて、何度か記載しておりますが、改めて記載してみようと思います。

私は何でも才能のせいだとする極端な才能論が嫌いです。

才能がない、地頭が悪いと嘆いても意味はなく、成長のために出来る事は愚直な努力と継続のみです。
人間嘆いている時よりも楽しんでいる時の方が能力の伸びが良いと考えております。

「あの人に勝ちたい」
「負けたくない」

といった競争心がもとでも良いでしょう。

結局のところ、それらは

「もっと成長したい」

という気持ちに帰結するはずです。

一般的に才能論が語られやすいスポーツにおける「才能が無い(と言われている)が活躍した方」の例を挙げてみましょう。

例えばウサイン・ボルト選手がいます。
彼が登場する以前は
「身長が高く、足の長い選手はスタート時の加速が遅く、短距離走では不利である。」
と言われておりました。

つまり当時の一般論では才能が無かった訳です。
しかし、彼は独自の走法(長ストライドを活かした最高速向上)により世界最高の記録を出しました。
このような例は枚挙にいとまがありません。

他の例ではプロ野球選手は一般的に高身長かつ骨格が強固な人間が有利と言われております。
ところが走力や守備力、技術力を活かしプロ野球選手になり活躍している方もいます。
メジャーリーグで活躍中の吉田選手は
172.7cm
79.7kg
です。

メジャーリーグの平均身長は
188.94cm
です。

体格面で言えば「才能がない」水準でしょう。
※イチロー選手も180.3cmとメジャーでは平均以下です。

ところが彼は体格に優れる他の選手に見劣りしない本塁打数を記録しています。
大谷翔平選手のように上位数%レベルの水準に到達するためには
「身体的な才能」
が必要かもしれません。

しかしながら、上位10%レベルであれば様々な事例から身体的な才能がなくても、適切な努力によって到達可能では無いかと考えております。

様々な事例を個別に紹介致しますと冗長になるため省きますが、他の例としてはバスケットボール、バレーボールなどでも同様の事例が沢山あります。

他方、芸術面においては「才能」が商業的な成功に対して大きく影響すると考えております。
ここで私が言う「才能」とは
「自分が好きなモノが一般的に受け入れられるモノか?」
という点です。

日本でジャズ好き、ヘビィメタル好き、デスメタル好き、クラシック好きなどの場合、ポップミュージシャンのような大成功を収める事は難しいでしょう。

また、極端な例で言えば、不協和音を多用した音楽が好きな方がいた場合、商業的に成功する事は難しいでしょう。
これは音楽だけでなく、他のアートでもそうです。
「自分が好きなモノが大衆受けするモノである」
という才能(運とも言いかえられる)が必要です。

一部、頭が良く、アートの商業的な側面を理解し、割り切れるアーティストは自分の好きなモノのエッセンスを残しつつ、大衆側に寄せる事が出来ると思いますが、「割り切る事が出来る」かどうかが焦点となります。

結局のところ、才能と言っても「現段階の科学的知見」に基づくものですから、怪しいものです。

スポーツだって現段階で「有利である」と言われている体格の方が将来分析が進み「やっぱり有利だった」となる場合もあるでしょう。

合理的ではない執筆者の方への厳しい意見

最近、色々な場所でひどい記事を良く目にしますのでかなり厳しい意見を書きます。
御容赦下さい。

「才能がないから諦めよう。」

目に見えない指標に基づいて判断する事は合理的ではありませんし、何より楽しくありません。

様々なブログやコラムで才能や地頭について

「自称理系の方」

が大手を振って「才能のせいだ」と報告している場合があります。

それらの殆どが n=1、n=2 の我が子の例のみを基に結論付けております。

その結果に基づき「才能論、地頭論」を語るのは、とても理系の方の所業とは思えません。

よって「自称理系」と書かせて頂いております。

このような方は沢山いらっしゃいますから、特定の誰かを指すものではありません。

しかしながら、本記事を見て、心当たりのある方には是非反省して頂きたいものです。

理系出身の方が

「n=1 or 2 のデータを見て、結論を出す」

などという恥ずべき行為をしている事を反省して頂きたいと思います。

統計的にそれが

「才能によるものである」

と結論付けるためには大変な労力が必要です。

 n=1 or 2 程度の結果で結論づけられるものではありません。

「〜だと考えている。しかし、統計学的に有意かどうかを結論付けるためにはさらなる調査が必要である」

「〜だと考えているが、根拠に乏しく、私見レベルだと御承知おき下さい」

という補足があればまだ良いのですが、「〜である」と断定しているケースはいただけません。

道場では n=9~10 程度のデータに、社員教育では25年分のデータに基づき

「才能との因果関係は薄い」

推測していますが、これもまだまだn数が少ない根拠に乏しいデータであり、才能論を結論付けられるものではありません。

また、塾が「才能である」という発信をする事に対しても疑問符が付きます。
塾はそのお子様が家庭でどのような取組をしているかを全て把握していないはずです。
家庭学習時間の質、内容まで完璧に把握出来ていないでしょう?
そんな中で「才能である」と結論付ける事は大変難しいと考えております。

また、「才能である」
と結論付けた論文がいくつか公開されておりますが、論文の中身を是非ご自身で確認されてみて下さい。
明らかにバイアスがかかった情報処理が見て取れます。
「数学の能力は遺伝である」
と結論付けるために用いたテストは、私には合理的で信頼性の高いテスト内容だとは到底思えません。
このような 信頼性の低いデータに基づいたブログやコラムの記事を見て
「私には才能がない」
「我が子には才能がない」
などと誤解し、努力を放棄してしまう方がいる事を私は危惧しております。

「才能論」に振り回され、努力を放棄し、学問の楽しさ、自己研鑽の楽しさを見失ってしまう方がいる事を大変悲しく思います。

エンジニアの教育においても
「ある成功体験」
で楽しさを見出し、急激に成長する方を沢山見てきました。
一方で、ものづくりに楽しさを見出だせず、伸び悩む方も沢山見てきました。
「才能がない」と思い込んでいては、中々「楽しい」という感情を得る事は難しく、モチベーション向上は望めません。

「楽しい」
「もっと成長したい」
「もっと良いものを作りたい」
「新しい発見をしたい」
「テストで良い点を取りたい」

これらのような前向きな気持ちが人間を成長させる原動力ではないかと、私は考えております。

根拠は一般に提示出来ませんが、社員教育時の調査結果(約25年分)です。モチベーションと能力向上に相関が見られます。(モチベーションの高低判断は難しいですが、独自基準で定量評価しています)

この考えは長年の社員教育経験と算数道場の育成経験に基づくものであり、データもある程度揃えております。

しかしながら、一般公開出来る内容ではないのが非常に残念です。

家庭学習に取り組んでいる皆様には、上述したような「前向きな気持ち」をお子様に持って頂くためのマネジメントに注力して頂ければと思います。
私は様々な経験やデータから、子の成長、自身の成長を喜び、前向きな気持ちで取り組むことが、それぞれの成長を加速させてくれると考えております。

まだまだ25年分程度のデータであり、信頼性が高いとは言えないデータに基づいておりますが、さすがに n=1~2 よりは信頼性が高いと考えています。

信頼性の低い n= 1〜2 程度のデータで「才能論」を語り、モチベーションを低下させる記事にどうか惑わされず、前向きな気持ちで家庭学習に取り組む御家庭が増える事を願っております。

「楽しい家庭学習」に是非取り組み、相対評価ではなく、絶対評価で親子の成長を楽しんで下さいませ。

偏差値は成長を絶対評価する指標では御座いません。相対評価です。

偏差値が50で横這いなら絶対評価では成長しているはずです。

子の成長した点を発見する事が私の楽しみです。

最後にもう一度

n=1 or 2 程度のデータから 「才能である」「地頭である」 などと結論付け、成績低迷している御家族のモチベーションを下げるような記事を書かれている「自称理系」の方
「自らの行動、記事を顧みて、これが誰かにとって有益でモチベーションを上げる記事であるのか?」
を考え、記事を修正して頂ければと思います。

親が求めている子の姿・モチベーション と 子の実際の姿・モチベーションは大きく乖離していて普通です。

親が情熱を燃やしたからといって、子の情熱が燃え上がる訳ではありません。
全く火が付かない子もいれば、親以上に燃え上がるお子様もいます。

この火を上手くコントロールするのが指導者や親の役割だと考えております。

あとがき

さて、コメントへの返信のついでに厳しい意見も書かせて頂きました。

このような厳しい意見を記載すると、攻撃者が襲いかかってくる事が多くあるため躊躇致しましたが、目に余る記事が多い為、記載させて頂きました。

私とて聖人君子ではありませんから、記事の表現が良くない部分もあるでしょう。

その場合はご指摘頂けましたら速やかに修正致します。

「才能です」「努力しても才能が無い人は無理です」

こんな言葉を投げかけられて喜ぶ親御様、お子様がいらっしゃるでしょうか?

Sharari-man

一生懸命頑張る御家族、お子様のモチベーションが少しでも向上し、学習効率向上・能力向上に繋がる記事を提供して下さる執筆者が増える事を願っております。

我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。

ではまた!

御自由にシェアして頂けましたら!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

日本で働く技術者です。
ブログ運営目的は我が家の学習情報提供を通じた社会貢献です。
地域貢献を兼ねて地域限定で算数の個別指導を行っています。

コメント【コメント非公開、メールでの返信を御希望される方はその旨をご記入下さい】

コメント一覧 (2件)

  • Sharari-man様
    こんばんは。帰国後お疲れのところ詳細なご考察有難うございました。私の理解するところ、
    1.道場は基礎を徹底的に固めている。数学に関してはどんどん先取りする。そのため基礎力重視の全統小では高得点が取れる。→非常に納得致しました。
    2.個別指導がよいのか、に関しては検討できない。→私の中では、個別指導=モチベーションが上がる、ではありませんでした。成績を上げるための個別指導はどちらかというと親主導の半受動的なものである印象がありました。ですので、モチベーションがそれほど高くない個別指導ではどうか、というのが争点でした。
    3.モチベーションは大事。→Sharari-man様が常におっしゃっておられることで納得です。
    4.潜在能力について。以前私は潜在能力で最高到達点が決まる、との見方を提示させていただきました。その見方は今でも変わらないのですが、今回のご説明で大分考え方が近いことがわかりました。
    まず、私が使用している才能という単語の意味は、3%の突出したものではなく、それぞれの搭載しているエンジンのことです。それを引き出すのは本人の力であり、周囲の支援の力であり、プラスマイナスいろいろな要素がある中でどのように表出できるかが結果ではありますが、往々にして100%の力を引き出すことはできません。算数道場ではマイナス要素が限りなくゼロにちかいため、最高度の出力を、最速で出せるのだと思います。
    つまり、学問において、通常学習では、ほとんどの人は自己潜在能力の80%も出せていないだろう、という感触です。実証ではありませんのでご容赦お願いします。
    Sharari-man様が批判されている方々のいう才能もおそらく同じ潜在能力のこととは思いますが、それを楽しんで親も一緒に学ぶことによって最大限引き出すことなく、つまりは親が努力せず、こどもと共感せず、他人任せで成績が向上しない結果であることを、自分を棚に上げてこどものせいにしているのが許せないのではないでしょうか。難関を目指せば目指すほど、塾や家庭教師任せにする、そしてよい塾や家庭教師を与えているのに伸びないのは、才能のせいだ、と納得するための逃げ口上と思っていらっしゃるのではないでしょうか。浅はかな考えとは思いますが思ったことを書きました。

    また長くなってしまいました。気軽にコメントを、とい文言に甘えてしまいます。問題があればお叱り頂けますと有難いです。何卒よろしくお願いいたします。

    • ぞうさん様
      いつもコメントありがとう御座います。
      大変勉強になる多角的な視点からの考察、いつも有難く拝読させて頂いております。

      >モチベーションがそれほど高くない個別指導ではどうか、というのが争点
      モチベーション管理という観点では、集団授業より個別指導がシステム的には有利と思います。
      ただし、どちらも指導者の技量に左右されるかと思います。
      集団授業で全員のモチベーションを向上させられる優秀な指導者もいらっしゃると思います。
      よってあくまで「システム」としてどうか?という事であれば、個別指導が有利であると考えます。
      ■お子様の性格に合わせた適切な声掛け
      ■適切なコミュニケーションによる信頼関係構築
      がより実施しやすいのは個別指導だからです。

      ★★Sharari-manの批判記事について★★
      誰かを不快にさせてしまう批判記事はあまり書きたくないのですが、最近このような記事を良く見かけるようになりましたので書かせて頂きました。
      「子供の才能のせい」にして能力向上のための努力、モチベーション管理を怠り、適切な指導を外注任せにして放置する。そのような親御様は大勢いると思いますし御家庭によって事情も異なります。よって個別に批判するつもりは全く御座いません。

      私は様々なブロガー様や学習塾が「才能が無い子は何をやっても成績は伸びない」
      このような断定を記事内で執筆する事によって、成績が低迷していながらも、継続して努力している方のモチベーションを低下させてしまう事を危惧しております。
      また、大変腹が立っております。
      私はこのような【努力している人の邪魔をする行為】に大変嫌悪感を抱いてしまいます。人の足を引っ張るだけの行為です。
      批判記事は好きではありませんが、このような記事執筆者に対し、一石を投じる意味で書かせて頂きました。

      ★★潜在能力について★★
      「受験に必要な能力」が人間の潜在能力の限界に迫るほどの能力か?
      と言えば、私はそうではないと考えております。
      ぞうさん様の仰るように「自己潜在能力の80%も出せていない」という状態の方が多数だと考えています。
      例えば現在、下位15%程度の能力であっても、適切な指導と努力によって潜在能力を発揮すれば、上位10%の中に入れると信じて指導を実施しております。
      ※信じている理由は記事内に示した教育データなどからです。
      よって劣等層~優秀層の間の人は「指導者と本人の努力(モチベーション含む)」によって能力が決定すると考えおります。
      能力に関して、単純に言えば、私は以下のように考えております。
      「技術の習得」が能力を向上させ、「カリキュラムとモチベーションと時間」が技術の習得速度を支配する。

      才能なんて目に見えないモノに惑わされず、自分を信じて懸命に打ち込む。そんな子供達や新入社員が私は大好きです。

      ★★ご要望について★★
      中々映像公開は難しい部分がありますので、私の指導再現を記事でやってみましょうか。
      コミュニケーションというモノは相手の表情や仕草から感情を読み取る事が大変重要と考えておりますので、その当たりの機微を上手く表現出来るか分かりませんが、新しいチャレンジとしてトライしてみようかと思います。大変良い御提案をありがとう御座います。

      ★★コメントについて★★
      所詮私は何物でもない社会の歯車の一つです。
      一人では何も出来ません。
      そんな私ですが、こうして記事を発信する事で、誰かの成長に対してプラスの影響を与える事が出来ればこんなに嬉しい事はありません。

      いつも文末に記載しております以下の文言。
      「我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。」
      このブログ運営自体が私に工数、金銭的なメリットをもたらす訳では御座いません。この文言の通り「誰かのためになれば」という思いで運営しております。

      よってどなたからの御質問でも真摯にお答えさせて頂く所存です。何も気にされる必要はありませんし、どうぞ御気軽にコメントを頂けましたら。
      そのコメントが私の学習欲を呼び起こして下さいますし、文章にまとめる事で考えが整理されます。
      「お気軽」どころか、積極的にコメントを頂けましたら大変嬉しく思います。

      コメントありがとう御座いました。
      夜分の返信、申し訳ありません。

      ではまた!

      以上

コメントする

このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次