2023.10.6 加筆修正 リンク追加など
さて本記事では家庭学習に苦しまれている御家庭の方へ 算数と国語に傾注してみてはどうか? という提言をさせて頂きます。
ギチギチのカリキュラムだと中々楽しむのは難しいものです。
楽しく学べるペースで進めるための提言です。
中学受験に必要な学習時間と問題の難易度
難関中学受験では算国理の3科あるいは算国理社の4科での受験が主流となっております。
以下では駒場東邦中学を基準として、それ以上の偏差値帯の中学受験の範囲学習と難易度について述べさせて頂きます。
トータル学習時間
引用元は以下の通りですが、これはたぶん中学受験生全体の平均です。
難関中学受験生は 最大値よりかなと思います。
小4:1~3時間
小5:1~3時間
小6:3~5時間
上記引用記事より引用。
総学習時間は
最小:5×365=1825時間
平均:8×365=2920時間
最大:11×365=4015時間
となっております。
よって最難関志望のお子様は3年間で3000時間以上の家庭学習に取り組んでいると推定されます。
平均と最大の間をとって ここでは3500時間をベースに考えてみます。
これは驚くべき事に 塾での学習時間を除く家庭学習時間の目安です。
算数
公立小学校の学習しかしていないお子様でしたら 1割取れるかどうかというレベルの問題です。
公立小学校で習う内容から大きく乖離した問題ばかりです。
具体的には公立中学3年生のトップ層クラスの理解力と想像力が求められます。
文章を読み、整理し、立式して解く必要があります。一般的な公立高校入試よりも難しく、単純な解法暗記だけでは解けない問題が多く出題されます。
数列・整数問題については高校生でも解けるか怪しい問題が出題されます。
範囲学習のボリュームとしては 塾の学習ルートで進めた場合、少なくとも1500時間程度は必要だと推測されます。
小4:1時間/日
小5:1.5時間/日
小6:1.5時間/日
合計:4×365=1460時間
塾での学習時間は除く。
国語
公立中学3年のトップ層クラスの漢字・語彙力が要求されます。
また問題文も難解であるだけでなく、記述問題が多いのが特徴です。
こちらも算数同様、一般的な公立高校入試より間違いなく難しいと思います。
算数とは異なり、中学受験勉強をしていないお子様でも1割しか取れないという事は無いと思いますが、選択問題などを運よく取れて3割~といったところでしょうか。
範囲学習のボリュームとしては 塾の学習ルートで進めた場合、少なくとも1000時間程度は必要だと推測されます。
理科
理科は範囲としては公立中学の範囲を網羅していません。
しかし、異常に深い内容が出題されます。
力学・天体・植物・生物などについては間違いなく公立高校入試より難しいです。
大人でも知らない・分からない問題が多数出題されます。
理科については算数が得意な事が大変有利に働くのが特徴です。
水溶液の濃度計算や力学など 比 を使いこなせるお子様は大変有利です。
範囲学習のボリュームとしては 塾の学習ルートで進めた場合、少なくとも500時間程度は必要だと推測されます。
社会
社会も理科同様に範囲としては公立中学の範囲を網羅していません。
しかし、理科同様に異常に深い内容が出題されます。
地理・日本史については大学受験レベルの内容が問われる事も少なくありません。
範囲学習のボリュームとしては 塾の学習ルートで進めた場合、少なくとも500時間程度は必要だと推測されます。
4科の学習時間比率の目安
算:国:理:社=1500:1000:500:500
算:国:理:社=3:2:1:1
%表示にすれば
算=42.8%
国=28.6%
理=14.3%
社=14.3%
程度の学習割合が目安となるかと思います。
ちなみにこの値は難関校の受験における合格寄与度と似たような値になっております。
※学校によっては社会の寄与度が高い場合もあるため、平均的な目安とお考え下さい。
偏差値と得点率
模試を受けると偏差値が表示されます。
偏差値は50が平均点です。
塾の模試で4科合計が平均点に達していないお子様は塾のカリキュラムが処理しきれていない可能性が高いと思われます。
偏差値は相対評価であるため、実力の絶対値を測る指標としては適していません。
しっかりと実力を確認したいのであれば、塾の講師に確認し
この模試の中で落として欲しくない基礎問題はどれですか?
と尋ね、その基礎問題の正答率で評価すれば正確だと思います。
この基礎問題がケアレスミス以外の理由での不正解が3割以上あれば、カリキュラムを処理しきれていないと考えて間違いないと思います。
習った基本的な内容の3割以上を消化しきれていないという事だからです。
算国傾注のススメ
さて本題です。
算国理社の学習比率は上で述べたように
算=42.8%
国=28.6%
理=14.3%
社=14.3%
となっております。
このうち理社を切り落とせばどうでしょうか?
理社の学習時間分である28.6%を振り分け
算:55%
国:45%
程度にする事が出来ます。
算国というのは学習の土台です。
算国が得意であれば、理社の学習効率が上がります。
また、算国が得意な状態であれば、中学に入ってからの学習効率も高くなります。
算国が苦手だが、中学受験理科で満点が狙える というお子様はいないと思います。
難関レベルであれば特にそうです。
社会でも読解力が要求されます。
理社を捨てた方が良いという主張ではありません。
算国が得意な状態になってから理社に取組んでも間に合う可能性が高いという主張です。
6年後半では厳しいかもしれませんが、5年後半、新6年頃ならばなんとかなりそうです。
理社は動画授業を見るだけ、参考書を読むだけ程度にとどめておき、浮いた学習時間を算国に全振りしてはどうか?
という御提案です。
算数道場では基本的に 算国しか指導していません。
道場の実績としては算国が得意な状態のお子様が6年から理社に取組んだ結果、最難関レベルに達する事が出来ています。
中学受験は大変難易度が高いため、オーバーワーク気味のお子様が多いように思います。
現状、塾のカリキュラムに付いていくのが キツイ・苦しい と感じられている御家庭の方は
算国に傾注して算国だけでも偏差値50以上、基礎問題全問正解を目指してみよう!
という方針を検討してみては如何でしょうか?
算数が苦手な場合、どのみち中学数学で苦労します。
国語が苦手な場合、全教科で理解が遅くなります。
算国のレベルアップがボトムアップに繋がるというのがSharari-manの主張です。
さて、如何でしょうか?
忙しい中学受験ですが、理社の負担を減らすだけでぐっと負荷が減少致します。
オーバーワークでお子様が学習嫌いになり、楽しめない状態になるよりは、算国に絞り「勉強が楽しくなってきた」と思ってもらえた方が良いと考えております。
学ぶ事が楽しい!
こうお子様に思ってもらえたら、本当に学習効率が向上します。
オーバーワークで苦しく、カリキュラムを消化しきれていない と感じておられる御家庭の方は検討されてみても良いかと思います。
算数/数学のオススメルート
国語のオススメルート
イライラ対策
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
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