さて、無償とはいえ算数道場を開講し、算数を子供達に教える身ですから学習障害というものについて多少は学んでおります。
医学系、教育系の論文は良く読みますが、まだまだ研究途上という領域のようで中々明確なエビデンスはありません。
以下の書籍を所有しており、良く読んでおります。
例えば「特異的算数能力障害」の診断基準は以下のようです。
以下 ICD-10/医学書院 より引用
小児の算数の出来ばえは、年齢、全体的知能、学校での処遇に基づいて予想される水準を明らかに下まわっていなければならず、そして最も好ましいのは個別的に施行される標準化された算数テストに基づいて評価することである。
読字力と綴字力は精神年齢から予想しうる正常な範囲内になければならず、なるべく個別的に施行される適切に標準化された検査で評価すべきである。
算数の困難は主としてきわめて不適切な教育、視覚、聴覚あるいは神経学的機能の欠陥の直接的な影響によるものがあってはならず、そして神経学的、精神医学的、あるいは他の障害の結果として獲得したものであってはならない。
算数障害は読字障害よりも研究されていないので、前駆様態、経過、関連因子および転帰についての知識はごく限られている。
しかしながら、この障害のある小児は聴覚-知覚力と言語力は正常範囲内にある傾向がみられる。しかし視覚力-空間および視覚-知覚力は損なわれている。このことは多くの読字障害の小児と対照的である。
社会-情緒-行動上の問題を伴っている小児もあるが、その特徴や出現頻度についてはほとんど知られていない。とりわけ社会的相互関係の困難が共通している、と示唆されるようになっている。
算数の困難さはさまざまな現れ方をするが、次のようなものが含まれる。
特殊な算数操作の基本となる概念を理解できないこと。
算数用語や符号の理解に欠けること、数字を認識しないこと、標準的な算数操作を行うことが困難であること、考えている算数問題に関してその数字が適当かを理解することが困難であること。
数字を正しく並べることが困難である、あるいは計算中に小数や記号を挿入することが困難であること、算数計算の空間的な組立てが下手であること、掛け算表を十分に学習できないこと。
引用終わり
このように記載されております。
正確な診断は中々に難しい事が分かります。
市販では以下のような診断テスト付きの教材が販売されています。
こちらも所有しており、診断テストを確認してみましたが・・・・・
これで正確にチェック出来るのか分からないなぁ・・・・・
個人的にはこのように感じる内容のテストでした。
また以前にこのような記事を書いております。
この記事に示す通り、Sharari-manはどちらかと言えば、「才能」「地頭」というものを信じておりません。
一方で学習障害というものの存在は信じております。
身近なところでは親族が脳疾患で倒れた後、しばらくの間は言語能力・計算能力が明らかに低下した事を実際に確認しています。
私の経験上、未だ分かっていない部分というのは以下のようです。
小学校の授業についていけるレベルのお子様に適切な教育を施しても伸びない場合があるのか?
高校レベルの学問が理解出来ているお子様に適切な教育を施して、大学入試数学が解けない場合があるのか?
このような「ある一定以上伸びない」という事が実際に起こり得るのかという点について、私は分かっておりません。
今までの指導経験上、指導したお子様全員が全統小偏差値【算数】で 70 程度に達しています。
以下の記事で言及している通り、このような状態になる確率は非常に低くなります。
また、塾で成績が低迷しているお子様を算数道場で預かり、指導を実施したところ、すんなりと偏差値50を超えるレベルに達しました。
まだまだ実例が少ない状況ですから、定期的に成績低迷中のお子様を親御様から預かり、指導を実施して参りたいと考えております。
実験的な側面もありますが、算数嫌いだった子供達が楽しそうに算数に取組む様子を見るのが楽しいのですよね。
「ある一定以上伸びない」
巷で言われている【地頭による学力限界】というものが本当に存在するのか?
について今後も検証を続けていきたいですね。
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
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