2024.2.6 加筆修正【加筆】を追加しました。
さて、表題の件です。
プロ棋士の渡辺明さんと音楽家の水野良樹さんの対談です。
大変興味深い内容で御座いましたので紹介させて頂きます。
記事は第4回まで掲載されておりますので是非読んでみて頂ければ。
記事内容に関する考察
渡辺氏は「将棋は才能です」と良く仰られておりますが、記事を読む限り、彼の中で「才能」というのは以下のようです。
- 遺伝的なもの
- 情報処理能力、情報の取捨選択能力
- 年齢と共に衰えるもの
- 努力出来るか否か
一般的な「才能」や「地頭」の定義とSharari-manの考えは以下の記事のようです。
近年は編入試験でプロになる方もいらっしゃいます。
折田翔吾さんはYOUTUBEで「アゲアゲさん」として将棋動画をアップする傍ら、真摯に将棋と向き合いプロ棋士になられました。
プロ棋士は26歳までに奨励会4段にならなければ退会となり、プロへの道が一旦閉ざされます。
折田さんは「プロ棋士になれる」という水準に26歳までに到達出来なかったという事ですが、その後、研鑽を続け、「プロ棋士になれる」水準まで成長したという事です。
以下リンク先に大変興味深いインタビューがあります。
「プロになれるほど棋力が向上した理由」について以下のように述べられております。
以下、リンク先記事より引用
大きく分けて2つあります。1つはアマになったことで精神的に良い状態で将棋に臨めたことです。三段リーグは半年単位で行われるので前半で負けが込んでしまうと昇段の目がなくなって後半にモチベーションが上がらないことがありましたが退会後はアマ棋戦に参加するのも結構楽しみでモチベーションも維持できました。もう1つは将棋ソフトの進歩で勉強法ががらりと変わったことですね。奨励会では序盤の研究で負けてしまうことが比較的多かったんですけど将棋ソフトを活用して序盤の研究をすることで弱点が補えたことは大きいと思います。
引用終わり
折田さんの主張は
「モチベーションの維持」
「学習方法の工夫」
によって棋力が向上したというものです。
15年間、一生懸命将棋に取組んで来て挫折を味わった方が、「モチベーションの維持」と「学習方法」の工夫によって、能力が向上したという事です。
これは私の考え方と非常に良く合致しております。
Sharari-manの記事を読んで頂いている方は御存じだと思いますが、学力向上のためにはモチベーションとカリキュラムが重要だという考えです。
渡辺氏の主張にも「努力が出来るか否か」というものがありますが、これも要は
「モチベーションが高い状態を維持出来るか?」
という事ではないかと考えております。
渡辺氏の主張の中の「情報の取捨選択能力」は教材,カリキュラムの選択になろうかと思います。
遺伝的な部分もあるかとは思いますが、モチベーションが高い状態を維持し、適切なカリキュラムで学習すれば、受験勉強レベルの内容であれば殆どの方が理解し、学力向上が出来ると考えております。
指導者の立場からすれば・・・
子を観察・分析し、如何にモチベーションが高い状態を維持出来るか
適切な教材・カリキュラムを提供出来るか
が大変重要です。
算数道場でSharari-manが実践している内容はこの2点がほぼ全てです。
「どうやったらモチベーションをあげられるかな?」
「どうやったら興味をもってもらえるかな?」
「どうやったら楽しいと思ってもらえるかな?」
「この子は何が好きかな?」
「どんな声掛けが響くかな?」
「どんな話し方をしたら安心できるかな?」
こんな事を考えながら観察しています。
カリキュラムに関しては 教科書ぴったりトレーニングや予習シリーズなど市販で優秀なものがありますから、導入のハードルは低いです。
家庭学習の効果を高めるためには 「モチベーションの向上・維持」に対して、真摯に向き合い、学習者のモチベーションを高めるための工夫に注力するというのが肝要であろうと考えております。
あとがき
さて、Sharari-manは将棋好きでして、折田さんがプロ棋士になる以前から「アゲアゲ将棋実況」を拝見しておりました。
Sharari-manレベルからすれば、「アゲアゲさん」は驚異的な強さであり、「この能力の持ち主でもプロには届かないのか!」と驚いたものです。
世の中には色々な情報があり、その中には「地頭(才能)で全てが決まる」といった暴論も良く見られます。
家庭学習に取組まれている皆様がそのような記事を読んで、「子の成長」を諦める事があってはならないと考えております。
極限まで研鑽した上でようやく到達出来る最高到達点は人によって異なるかもしれません。
誰もが藤井聡太さんのレベルに到達出来る訳ではありません。
しかし、受験レベルの学問は「極限までの研鑽」が必要なレベルでは御座いません。
「適度な研鑽」で理解出来るレベルのものです。
是非、世間の「地頭論」に惑わされず、子のモチベーションを維持するための活動を行い、「楽しい家庭学習」によって親子で成長する事を楽しんで頂ければと思います。
Sharari-manも道場での指導を通じた、自分自身の成長を大変楽しんでおります。
「子を成長させる」のではなく「親子で一緒に成長する」と考え、楽しみながら学習を続けております。
加筆
さて、以前に書いた記事で以下のような図を作成し提示させて頂きました。
Sharari-manはこのようにイメージしております。
モチベーションが高い状態であれば以下のような行動を取るはずです。
- どうすればもっと効率良く成長出来るかを考える。
- 実行し、分析し、反省し、行動する。
- 単純に長時間取組む。
このような行動を通じて人間は成長していく訳ですが、『真の上位層』は異常な能力を持っている事が多いです。
ここで言う『真の上位層』とは 藤井聡太さんや羽生善治さん、数学者のガウス、ラマヌジャンなどのレベルを指しています。Sharari-manが最も尊敬するエンジニアもそのレベルです。
実際にそのエンジニアの方とは数年間一緒に仕事をしましたが、もう異常としか言えないような能力なのです。
例えば以下のような特徴があります。
仕事をしながら、学習しながら、いつも『もっと効率良く出来ないか』『もっと成長出来ないか』と考え続けている。
自分の行動の過程と結果を無意識に分析し、常に改善するための行動を続けている。
毎日16時間以上働き、食事と風呂以外の時間は学び、最速で入眠し、最短時間で起きる。
そして、このような生活が苦ではない。楽しい。もっとやりたいと考えている。
如何でしょうか?Sharari-manは実際にこの方と数年間共に働きましたが、もう圧倒されました。
世の中にこんな方がいるのか!!
とてもこの方の能力に近づく事は出来ない!
このように感じました。
我が家の学習事例が少しでも家庭学習に取組む皆様の御参考になりましたら望外の喜びです。
ではまた!
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